帝国データバンクによれば、2025年1月から5月までの中古車販売店を経営する事業者の倒産数は50。前年同期比1・5倍の大幅増です。通年では、リーマンショックから東日本大震災によって消費が低迷した時期の水準にまで達する可能性があるとされています。
ここまで中古車販売店の倒産数が増えている要因は一つではないと考えます。今回は、12年前まで中古車販売業を営み、現在も中古車を活用したビジネスを行う私なりに、中古車販売業の現在とミライについて考察してみたいと思います。

出典:帝国データバンク
度重なる不正、インフレが中古車業界を直撃
一つ目の理由と考えられるのは、23年に発覚したビッグモーターによる保険金不正請求問題です。私は30年以上、車に関わる仕事をしていますが、これほど連日、そして長期間、中古車業界の不正問題がメディアを賑わせ続けたのは初めてでした。他にも、修理代の水増し請求など度重なる不正が発覚したことで、消費者が中古車業界に対して持っていた信頼が大きく崩れました。これは、中古車業界にとって非常に深刻な問題です。

出典:帝国データバンク
とはいえ、需要が新車に流れたかというと、そうした兆候は見られず、むしろ中古車のシェアは拡大しています。その背景には、新車価格の高騰があります。半導体不足、そしてコロナ禍以降の物流費の高騰、世界的なインフレや人件費の高騰などが複合的な要因となり、新車の生産数が大幅に減少しています。
結果、中古車のシェアが拡大する一方、円安の影響で日本の中古車が海外へ多く輸出され、国内価格も高騰しました。中古車オークションではとくに人気の車種の競争が激しくなり、仕入れ価格が1台あたり数百万円になることも決して珍しくありません。業界への信頼失墜も重なって、5月の中古車販売店の景気動向指数は27ヶ月ぶりに40を下回っています。
中古車販売業の「限界」
そもそも、中古車販売のビジネスモデルには「限界」があります。高額で仕入れた車両も、販売後に整備費用や保証費用、在庫管理費用、広告費用などを差し引くと、実際に残る利益はわずか10~20%程度です。単価が低い軽自動車は、さらに利益が少なくなります。つまり、中古車販売は多売薄利で、資金が十分でない中小業者ほど仕入れが難しくなってしまうのです。とくに昨今のような状況では、「品揃えが悪くなる→売上が落ちる→資金繰りが悪化する」という悪循環に陥り、倒産に至るケースが増えているものと推察されます。
また、中古車販売業の経営には別の大きな問題があります。それは、車の価値が店頭に置いている間に目減りしていってしまうことです。たとえば、100万円で仕入れた中古車が店頭で3ヶ月間売れなければ、その車の価値は市場の相場によって90万円程度に下がることも少なくありません。つまりこの場合、見えないところで1ヶ月あたり3・3万円程度の損失が生じます。車両が50台あれば、3・3万円×50台で毎月165万円程度ずつ損失が膨らんでいくことになります。売れない期間が続けばさらに損失は膨れ上がります。これが中古車販売業の隠れた最大のリスクです。私は12年前にこの問題に気づき、中古車販売業から撤退しました。
「車は借りる」時代に

出典:矢野経済研究所
車も不動産やその他の資産と同様で、富裕層向けの高額な新車や高価格帯の中古車は現在も一定の需要があります。しかし、これからの自動車利用は「所有せずに借りる(シェアする)」スタイルが中心になるでしょう。これは私だけの考えではなく、日本一の自動車メーカーであるトヨタ自動車もはっきりと打ち出しています。だからこそ、12年前に中古車販売業から撤退した私は、同じ中古車を利用するビジネスとしてレンタカー業をスタートさせたのです。
中古車販売とレンタカーには明確な違いがあります。中古車販売は、毎月車を売り続けなければ収入が途絶えてしまう「フロービジネス」です。月末には翌月の土地代、人件費、広告宣伝費などの大きな経費の支払いがすでに決まっているため、毎月その分を必ず売り上げなければなりません。
一方、レンタカー事業は「ストックビジネス」で、毎月ある程度決まった収入が安定して入ってきます。とくに競合が少ない「長期レンタカー」は、比較的安定して利益が見込めます。これは宣伝ではなく、現実に競合が多い短期レンタカーと比べ、長期レンタカーは競争相手が少ないからこそ安定性が高いということです。
昨今、長期レンタルを打ち出すレンタカー会社も増えてきましたが、12年前に中古車販売業の「限界」を悟り、いち早くこの事業を始めた先行者利益、そして特許を取得した予約システムや独自のビジネスモデル、加えて当時の私の予想を上回るスピードで車を所有する時代から車を借りる時代へと移り変わっていることが、現在の安定した事業基盤と急成長を支えています。
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田川 英紀

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