黒ナンバー車両の任意保険について、気になっている方は多いのではないでしょうか。一般的な白ナンバー車両と比べて保険料が高額になることや、取り扱い保険会社が限られることから、選び方に悩む方も少なくありません。
この記事では、黒ナンバー車両の任意保険について、保険料の相場から選び方のポイント、おすすめの保険会社まで、詳しく解説していきます。
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険は高い?
事業用の黒ナンバー車両は、一般的な自家用車と比べて任意保険料が2〜3倍ほど高くなります。これは、走行距離が長く事故リスクが高いことや、事業用車両特有の補償が必要なためです。
なぜ黒ナンバーの任意保険は高いの?
黒ナンバー車両の保険料が高額になる主な理由は、事業用車両としての特性にあります。
一般的な自家用車と比べて年間走行距離が長く、それだけ事故のリスクも高まります。また、配送業務中の事故は一般の交通事故より損害賠償額が高額になる傾向があります。さらに、荷物の破損や配送遅延による損害など、事業特有のリスクもカバーする必要があるため、保険料は必然的に高くなってしまうのです。
例えば、同じ軽自動車でも、白ナンバーの場合の年間保険料が8〜10万円程度なのに対し、黒ナンバーでは20万円前後となることも珍しくありません。保険料の算出には、運転者の年齢や地域、使用目的、走行距離など、さまざまな要素が考慮されます。
そもそも黒ナンバーに任意保険は必要?
黒ナンバー車両における任意保険の加入は、事実上の必須条件となっています。その理由は大きく分けて3つあります。
1つ目は、多くの運送会社や配送業務の委託会社が、契約条件として任意保険への加入を義務付けているためです。
2つ目は、事業用車両は一般車両と比べて事故のリスクが高く、十分な補償が必要となるためです。特に対物事故や積載物の破損など、事業特有のリスクに備える必要があります。
3つ目は、事故発生時の損害賠償額が高額になりやすく、自己負担では対応が困難なケースが多いためです。また、近年では荷主や取引先からも任意保険の加入証明を求められることが増えており、事業を円滑に進める上でも必要不可欠な存在となっています。
自賠責保険だけでは不十分な理由
自賠責保険は法律で加入が義務付けられている基本的な保険ですが、黒ナンバー車両の運用には十分とは言えません。
その理由として、まず補償範囲が限定的であることが挙げられます。自賠責保険は対人事故のみが補償対象で、補償額にも上限があります。事業用車両の場合、事故の規模が大きくなりやすく、自賠責保険の補償額(死亡時最高3,000万円)では不足するケースが多々あるため、十分とは言えないのです。
また、対物事故や車両自体の損害、積載している荷物の破損は補償対象外となります。さらに、配送の遅延による損害賠償や、事故による休業補償なども自賠責保険では対応できません。このように、事業用車両特有のリスクに対応するためには、任意保険による追加の補償が必要不可欠なのです。
黒ナンバー(軽貨物)の任意保険料の相場と料金体系
黒ナンバー車両の任意保険料は、年間15万円から30万円程度が一般的です。ただし、運転者の年齢や使用する地域、走行距離などの条件によって大きく変動します。新規事業者の場合は、特に高額になる傾向にあります。
黒ナンバーの保険料相場
黒ナンバー車両の保険料相場は、事業者の経験年数や運転歴によって異なります。
新規事業者の場合は年間25〜30万円程度からスタートするのが一般的です。3年以上の運転歴がある場合は20〜25万円程度、無事故割引が適用されると15〜20万円程度まで下がることもあります。補償内容は、対人賠償が無制限、対物賠償が1,000万円以上が標準的です。
また、積載貨物の補償として300万円程度を付帯するケースが多く見られます。地域によっても保険料は変動し、都市部では地方と比べて1.2〜1.5倍程度高くなる傾向があります。さらには、年間の走行距離や使用時間帯によっても保険料は変わってくるでしょう。
一般車両との保険料の違い
黒ナンバー車両と白ナンバー車両の保険料には、大きな違いがあります。
例えば、同一人物が運転する同じ軽自動車でも、白ナンバーの場合は年間8〜10万円程度の保険料が、黒ナンバーでは20万円前後になることが一般的です。この差が生じる理由としては年間走行距離の違いがあり、白ナンバーの場合は年間1万km程度の走行を想定しているのに対し、黒ナンバーでは一般的に3万km以上の走行が想定されます。
また、事業用車両は深夜や早朝の運転が多く、事故のリスクも高くなります。さらに、事故が発生した際の損害賠償額も事業用車両の方が高額になる傾向があり、これらの要因が保険料の差として表れているのです。
黒ナンバー(軽貨物)はどう選ぶ?重視すべきポイント
任意保険選びで最も重要なのは、補償内容と保険料のバランスです。特に対物賠償は1億円以上、積載貨物の補償は300万円以上を目安に検討しましょう。また、事故対応のサポート体制も重要な選択ポイントとなります。
主要保険会社の特徴と
黒ナンバー車両の任意保険を扱う主要な保険会社には、それぞれ特徴があります。
<損保ジャパン>
・24時間365日事故対応
・現場駆けつけサービス
・無保険車傷害補償あり
損保ジャパンは即日加入が可能な大手保険会社です。24時間365日対応可能で、深夜や休日でもサポートしてくれる手厚いサービスが特長です。
<東京海上日動>
・24時間365日事故対応
・無料レッカー搬送180km
東京海上日動は、スピーディな事故対応や充実した保障メニューが特長です。ただし、長距離配達の多い事業者は、事故時の宿泊費や帰宅・移動費用の保障がないため注意が必要です。
<三井住友海上>
・24時間365日事故対応
・無料レッカー搬送500km
・搭乗者傷害補償あり
三井住友海上は、全国149か所の拠点で24時間365日の事故・故障対応を行い、専用ドライブレコーダーや教育ツールで事故防止をサポートしています。また、充実した保障内容を提供し、傷害一時金特約では事故による入院・通院時に1万円・10万円の一時金を支給します。
おすすめの保険会社ランキング
黒ナンバー車両の任意保険を提供している保険会社の中から、特におすすめの会社をご紹介します。
損保ジャパンは、24時間365日の充実した事故対応と、全国各地に展開するサービスネットワークが強みです。事故発生時の初期対応から示談交渉まで、スムーズな対応が期待できます。安定した補償内容と独自の割引制度が特徴で、特に複数台所有の事業者に適しているでしょう。
三井住友海上は、比較的手頃な保険料設定と、充実した事故防止サポートが魅力です。新規事業者向けのプランも豊富で、コストを抑えたい事業者におすすめです。
個人事業主向け任意保険
個人事業主が黒ナンバー車両の任意保険を選ぶ際は、いくつかの重要なポイントがあります。
まず、必要最低限の補償内容を確保することが大切です。対人・対物賠償は無制限が推奨されます。
次に、保険料の支払い方法も重要なポイントです。月払いや分割払いなど、キャッシュフローに合わせた支払い方法を選択できる保険会社を検討しましょう。
さらに、事故時のサポート体制も重要です。24時間対応可能な事故受付センターや、代車の手配など、事業の継続性を確保できるサービスが整っているかどうかも確認すべきポイントといえます。
黒ナンバー(軽貨物)任意保険の加入手続きと申込方法
任意保険への加入は、保険会社や代理店への直接申込みが基本です。オンラインでは、見積り・問い合わせが可能な場合もありますので、まずはオンラインで相見積もりをするのもよいでしょう。なお、初めて加入する場合は、対面での相談の方が、契約内容や補償についての詳しい説明を受けられるため安心かと思います。
また、黒ナンバー車両の任意保険契約時には、特に注意が必要な点がいくつかあります。
まず、補償内容の確認が重要です。対人・対物賠償の補償額が十分か、積載貨物の補償は必要額を満たしているか、慎重に検討する必要があります。また、運転者の条件設定も重要なポイントです。従業員が運転する可能性がある場合は、年齢条件や運転者限定特約の設定に注意しましょう。
黒ナンバー(軽貨物)の保険料を安く抑えるコツ
通常の保険に比べて高額になりがちな、黒ナンバーの任意保険。ここでは、保険料を安く抑える3つのコツをご紹介いたします。
経費削減につながる特約と割引
黒ナンバー車両の任意保険料を抑えるためには、さまざまな特約と割引制度を活用することが効果的です。最も一般的なのは無事故割引で、最大で保険料が40%ほど割引される可能性があります。
また、会社独自の割引制度なども活用するとよいでしょう。例えば東京海上日動であれば、「Gマーク制度(安全性優良事業所)認証取得」や「自社車両の80%以上にデジタコグラフまたはドライブレコーダーのいずれかまたは両方を導入済」などの項目を満たすことで、割引が適用されます。(詳しくは公式ページでご確認ください。)
フリート契約とミニフリート契約の活用法
複数の黒ナンバー車両を所有している事業者は、フリート契約やミニフリート契約の活用を検討すべきです。
フリート契約は10台以上、ミニフリート契約は2〜9台の車両を所有している場合に適用可能です。これらの契約形態のメリットは、個別契約と比べて保険料が大幅に削減できる点です。また、契約手続きも一括で行えるため、管理の手間も軽減されるでしょう。
ただし、事故が発生した場合は、他の車両の保険料に影響が及ぶ恐れがある点や、全ての車両の契約更新時期を統一する必要があるなど、いくつかの条件があることに注意が必要です。
業務レンタカーの活用
黒ナンバー車両の任意保険料を抑える新たな選択肢として、業務用レンタカーの活用が注目されています。
業務用レンタカーは、車両保険や任意保険がレンタル料金に含まれているため、保険会社を選ぶ手間も、別途高額な保険料を支払う必要もありません。また、車両の維持管理や車検などの手続きもレンタカー会社が行うため、事務負担の軽減にもつながります。
特に、事業開始時や繁忙期の一時的には、車両補強として活用することで初期費用や固定費を抑えることができるでしょう。
黒ナンバー(軽貨物)任意保険のよくある質問とトラブル対策
保険に関する疑問やトラブルは、事前の知識で防ぐことができます。
事故が起きてしまったらどうする?
黒ナンバー車両で事故が発生した場合の対応は、一般の自家用車以上に迅速かつ適切な判断が求められます。
まず最優先すべきは、当然ながら負傷者の救護と警察への通報です。その後、保険会社の事故受付センターに連絡し、指示を仰ぎましょう。
この際、積載していた荷物の状況や配送予定についても報告が必要です。事故の状況は可能な限り写真や動画で記録し、目撃者がいる場合は連絡先を控えておくことも大切です。
事故による配送の遅延や荷物の破損が発生した場合は、運送会社や荷主への連絡も必要となりますので、これらの対応を円滑に行うため、日頃から緊急連絡先リストを車内に備えておくとよいでしょう。
任意保険契約の変更や解約はできる?
契約内容の変更が必要な場合、まずは保険会社へ連絡をしましょう。特に、車両の入れ替えや使用目的の変更、運転者の追加などは、補償の有効性に関わる重要な変更となりますので必ず連絡をするようにしてください。
解約の場合は、新たな保険の手配を完了してから行うことが重要です。保険の空白期間が発生すると、事故時に補償を受けられないだけでなく、次の契約時の保険料にも影響を与える可能性があります。また、解約返戻金の計算方法や、次の契約への影響についても事前に確認しておくとよいでしょう。
トラブルを防ぐためにできることは?
黒ナンバー車両の任意保険に関するトラブルを防ぐためには、日頃からの備えが重要です。
まず、定期的な補償内容の見直しを行い、事業規模や運送内容の変化に応じて適切な補償を維持することが必要です。また、契約更新時期を管理カレンダーに記録し、更新忘れを防ぐことも大切ですね。
事故防止対策としては、定期的な安全運転講習の実施が効果的です。運転記録や車両点検記録を適切に保管することで、事故時の状況説明や保険料の割引にも活用できるでしょう。
さらに、従業員が運転する場合は、保険の補償内容や事故時の対応手順について定期的な教育を行うことをおすすめします。
まとめ
黒ナンバー車両の任意保険は、一般の自家用車と比べて年間15万円から30万円程度と高額になりがちですが、事業を行う上で必要不可欠な存在です。
とはいえ、今回ご紹介したように、無事故割引やフリート契約の活用、業務用レンタカーの活用など、保険料を安く抑えるコツもありますので、賢く利用していきましょう。
特に業務用レンタカーは、事業開始時や繁忙期の一時的には、車両補強として活用することで初期費用や固定費を抑えることができるため、非常におすすめです。気になる方は、ぜひ下記ボタンからお問い合わせください。
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田川 英紀
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