ライドシェアとタクシーって何が違うの？
どっちが安くて便利なの？
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
近年、世界中で注目を集めている「ライドシェア」は、新たな移動手段として多くの可能性を秘めたサービスです。日本でも2024年以降、少しずつ「日本版ライドシェア」の導入が進み、2025年11月現在はすべての都道府県で1か所以上導入されています。
しかし、その仕組みやタクシーとの違い、安全性、料金体系については、正しく理解している方は少ないのが現状でしょう。「ライドシェアって本当に安全なの？」と感じて利用を躊躇してしまう方もいらっしゃることと思います。
そこで本記事では、ライドシェアとタクシーの違いについて、仕組みや料金、安全性、働く上での条件などの面からくわしく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
ライドシェアとタクシーの違いは？
ライドシェアとタクシーは、どちらも車に乗客を乗せて目的地まで運ぶサービスですが、「運転手の立場」と「必要な免許」に大きな違いがあります。
ライドシェアのドライバーは「一般の人が、自家用車（白ナンバー）を使う」のに対し、タクシーは「プロの二種免許を持つドライバーが、営業用車両（緑ナンバー）で運行」します。
とはいえ、日本版ライドシェアではタクシー会社が運行主体となり、その管理下で一般ドライバーが運用するのがルールです。運行する前にはタクシー会社の講習を受ける必要もありますので、その点は安心できるでしょう。実際に利用してみると「普通のタクシーとあまり変わらなかった」と感じることが多いのではないかと思います。
ライドシェアとタクシーの料金はどっちが安い？
ライドシェアとタクシーの料金には、どのような違いがあるのでしょうか。簡単に解説します。
ライドシェアの料金体系と特徴
料金は利用する地域や時間帯、サービス提供者によって変動するため一概には言えませんが、現在の日本版ライドシェアの運賃は、基本的にタクシー料金と大きな違いはありません。
しかし、ライドシェアには「事前に料金が確定する」という大きな特徴があり、その点はタクシーと比べると安心感があるでしょう。「お金が足りるか不安」といった心配も不要で、「遠回りで必要以上の料金を請求された」といったリスクも回避できる仕組みです。
ライドシェアの方がお得？タクシーとの料金差が生まれる理由
日本国内でのライドシェアの運賃は、現時点ではタクシーと大きく変わりません。
しかし、ライドシェアの料金が距離ベースで事前に決まるのに対し、タクシー料金は「初乗り運賃」と「加算運賃（距離・時間）」の合計で決まるメーター制のため、渋滞に巻き込まれると運賃が加算されます。この仕組みを考慮すると、渋滞が予測されるルートや時間帯では、料金が事前に確定しているライドシェアの方が結果的に割安になる可能性も。
つまり、現時点では「料金に大きな価格差はない」が、状況次第ではライドシェアが割安になることもある、と考えてよいでしょう。
ライドシェアとタクシーはどっちが安全？
安全性の面では、タクシーが一歩リードしていると考えてよいでしょう。
なぜなら、タクシー運転手は「第二種運転免許」を取得し、運転技術や接客研修を受けたうえで乗務しますが、一方のライドシェアの運転手は「普通免許」で登録できるため、運転経験や接客スキルに個人差が出るからです。
とはいえ、日本版ライドシェアもタクシー会社の厳格な管理体制のもとで運行されています。そのため、制度面での安全性は十分に担保されていると考えてもよいでしょう。
特に、海外の一部の事例では、一般人がドライバーを務める性質上、運転技術やモラルにばらつきが生じるリスクや、無免許運転・飲酒運転といった重大な違反行為が問題になった事例もあります。
その点、日本のライドシェアは、これらの問題を避けるためにタクシー会社が管理主体となり、研修や安全基準を設けているため、安全性への配慮がなされていると言えるでしょう。
ライドシェアは違法？白タク行為ってなに？
結論から言うと、日本で導入が進んでいるライドシェアは合法的なサービスです。
一方、違法タクシーとして知られる「白タク」は、無許可で旅客を有償で運ぶ行為であり、道路運送法に違反する違法なサービスです。
両者の最も大きな違いは、「国の制度に基づいているかどうか」にあります。「ライドシェア＝白タク」と誤解されることもありますが、それは正しくありません。
日本のライドシェアは、国土交通省の認可を受けた事業者が運行管理を行い、ルールの範囲内で「自家用車を活用した有償運送」が認められているもの。間違いなく、合法のサービスです。
【結論】ライドシェアとタクシーはどっちを使うべき？
ライドシェアとタクシーは、それぞれ異なるメリットとデメリットがあるため、利用目的や状況に合わせて使い分けるのが最適です。料金、利便性、サービス品質の観点から、どちらを選ぶべきか整理してみましょう。
ライドシェアの利用がおすすめなケース
・料金の不安をなくしたい
乗車前にアプリで料金が確定するため、渋滞や遠回りがあっても追加料金が発生しにくい
・移動手段が限られている地域で利用する
タクシーが不足している夜間や地方、公共交通機関の乏しい地域で利用したいとき
タクシーの利用がおすすめなケース
・サービス品質を重視したい
プロの二種免許を持ったドライバーによる、安定した接客や運転技術を求める方
・すぐに乗りたい
街中で流しのタクシーを捕まえたい、あるいは電話予約で確実に車を呼びたい方
ライドシェアとタクシーの運転手はどっちがおすすめ？
運転手として働く場合、ライドシェアは「自由度」、タクシーは「安定性」が魅力です。
ライドシェアは普通免許で始められ、短時間稼働や副業として人気があります。都市部での時給は1,500～2,000円前後、フル稼働なら月20～30万円も可能でしょう。
一方、タクシーは給与が安定しており、会社のサポートを受けながら働ける安心感があります。
まとめると、「柔軟な働き方」と「参入のしやすさ」を重視するならライドシェアが、「プロとしての安定収入」と「キャリア」を重視するならタクシーがおすすめです。
まとめ
ライドシェアとタクシーは、似ているようで少しずつ異なる仕組みを持つサービスです。
「どちらの方が良い」という答えはありませんが、どちらを利用するか迷ったときは、本記事で解説したそれぞれの特徴をもとに、目的に応じて使い分けてみてください。
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田川 英紀
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