黒ナンバー運賃料金表の書き方|具体例と注意点も解説

黒ナンバー

軽貨物運送事業を始めるために避けては通れない「運賃料金表」の作成。しかし、初めて作成する方は、どのように進めればいいのか分からないことも多いでしょう。

「運賃料金表って何を書けばいいの?」

 

「相場はどのくらい?」

こんな疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、運賃料金表の基礎知識から具体的な作成方法まで詳しく解説していきます。

黒ナンバー申請時の「運賃料金表」とは?

レンタカー はてな

軽貨物運送事業を始める際に、避けては通れない重要書類が「運賃料金表」です。この書類は、事業開始時に運輸局への提出が必須となる公的な書類で、適切な作成が求められます。

運賃料金表はなぜ必要?

運賃料金表は、軽貨物運送事業者がサービスの料金体系を明確にするための書類です。距離制運賃や時間制運賃、割増料金などの詳細を記載します。

そして、運賃料金表が必要とされる理由は主に3つです。

  •  料金の透明性確保
  •  適正な取引の実現
  •  不当な価格競争の防止

たとえば、距離制運賃を「1kmごとに500円」、時間制運賃を「30分ごとに1,000円」と設定した場合、それぞれを適切に記載することでトラブルを防ぎやすくなります。

運賃料金設定届出書との違い

運賃料金表と運賃料金設定届出書は似ていますが、それぞれ役割が異なります。運賃料金表は顧客(荷物主)に提示するための詳細な料金体系を示すもので、運賃料金設定届出書は運輸局に提出するための概要を記載した公式文書です。

運賃料金表との違いを以下にまとめます。

  • 運賃料金表:顧客(荷物主)向けの資料。詳細な料金設定(距離制運賃、時間制運賃、割増料金など)を記載。
  • 運賃料金設定届出書:運輸局向けの資料。簡潔に要点をまとめた内容を提出する。

たとえば、運賃料金表には「深夜料金:基本運賃の1.25倍」といった条件を詳細に記載しますが、届出書では「深夜割増あり」と簡略化されます。

運賃料金表の具体的な書き方

契約

黒ナンバー取得に必要な運賃料金表の作成方法について、実際の記入例や注意点を交えながら解説していきます。

書類作成に必要な情報一覧

運賃料金表を作成する際に必要な情報は、以下のとおりです。

  • 事業者情報:事業者名、所在地、連絡先など基本的な情報
  • 車両情報:使用する軽貨物車両のナンバープレート番号や車両の種類
  • 料金体系:距離制運賃、時間制運賃、割増料金や割引条件など
  • 適用条件:深夜や休日の料金、最低料金の設定など

距離制運賃と時間制運賃の違いと書き方のポイント

運賃料金表を作成する際、距離制運賃と時間制運賃を適切に記載することが大切です。それぞれの違いと書き方を説明します。

<距離制運賃>

距離制運賃は、移動した距離に基づいて料金を計算する方法です。

(例)

  • 10kmまで:1,600円
  • 10km以降:1kmごとに160円加算

<時間制運賃>

時間制運賃は、移動や作業にかかった時間を基に料金を計算する方法です。

(例)

  • 4時間または40kmまで:7,200円
  • 8時間または80kmまで:14,400円
  • 追加料金:1時間ごとに1,000円

割増料金や割引設定の記載方法

運賃料金表には、基本運賃に加えて各種割増料金の設定が必要です。主な割増料金は以下の通りです。

<基本的な割増率>

  • 休日割増:日曜祝祭日の運送 2割増
  • 深夜・早朝割増:午後10時から午前5時まで 2割増
  • 特殊車両割増:海上コンテナ車両など 4割増
  • 季節・地域による割増
  • 冬期割増:特定地域の11月16日から4月15日まで 2割増
  • 地区割増:東京都特別区、政令指定都市など

よくある記入ミスと注意点

運賃料金表の作成では、次のような記入ミスが起こりがちです。提出前にしっかりと確認しましょう。

<よくある記入ミス>

  • 料金設定の矛盾:距離制と時間制の条件が重複している
  • 情報の漏れ:割増料金や割引条件が記載されていない
  • 不適切な表現:誤解する表現や曖昧な条件設定

<注意点>

  • 記載前に料金体系を再確認する
  • 表形式で整理し、分かりやすく記載する
  • 申請前に必ず最新版であることを確認する
  • 届出は主たる事務所の所在地を管轄する運輸局に提出する
  • 適用する地域を管轄する運輸局分の部数を用意し、提出する

運賃料金表は事業の根幹となる重要書類のため、記載内容は慎重に確認し、不明な点がある場合は運輸局に確認することをお勧めします。

黒ナンバー運賃料金表のテンプレート

運賃料金表のテンプレートは、各地域の運輸局で入手可能です。また、運輸局のウェブサイトからテンプレートをダウンロードできる場合もありますので、下記リンクからご確認ください。

\各地域の運輸局サイトは、こちらからご確認ください/
全国運輸支局等のご案内|国土交通省|自動車検査登録総合ポータルサイト

<見本>

(参照:運賃料金表設定例|関東運輸局 千葉運輸支局:陸上の交通)

なお、テンプレートを利用する際は、以下の点にご注意ください。

<注意点>

  • 地域によって様式が異なる場合がありますのでご注意ください
  • 申請前に必ず最新版であることを確認してください
  • 記入方法について不明な点は、管轄の運輸局に直接お問い合わせください

黒ナンバー運賃料金表の相場と料金設定のコツ

一般的な距離制運賃と時間制運賃の相場例、割増料金の確認方法、そして自社で料金設定を行う際のポイントを詳しく解説します。

一般的な距離制運賃の相場例

距離制運賃は、配送距離に応じて料金が設定される最も一般的な料金体系です。標準的な料金設定は以下の通りです。

<距離制運賃:基本料金の目安>

  • 10kmまで:1,600円
  • 20kmまで:3,200円
  • 30kmまで:4,800円
  • 40kmまで:6,400円
  • 50kmまで:8,000円

(距離別単価の設定)

  • 50kmまで:1kmあたり160円
  • 51km〜100km:1kmあたり130円
  • 101km以上:1kmあたり100円

自社の料金設定を行う際には、これらの相場を基準にしつつ、地域性や競合状況を考慮することが大切です。たとえば、都市部では距離ごとの加算料金を抑える一方、郊外や山間部では加算料金を高めに設定するケースが一般的です。

時間制運賃と割増料金の相場の確認方法

時間制運賃は、配送時間を基準に設定される料金体系です。一般的な相場は以下の通りです。

<時間制運賃:基本料金の目安>

  • 4時間または40kmまで:7,200円
  • 8時間または80kmまで:14,400円
  • 追加料金:1時間あたり1,000円

<主な割増料金の設定>

  • 休日割増(日曜・祝日):2割増
  • 深夜・早朝割増(22時〜5時):3割増
  • 特殊品割増:3割増

自社の運賃料金を設定する際のポイント

運賃料金を設定する際には、以下のポイントに考慮して設定しましょう。

<運賃料金設定のポイント>

  1. 事業のコスト構造を把握する
    車両維持費や人件費、その他経費(広告宣伝費など)を加味したうえで設定する
  2.  競合分析を行う
    →同地域の他事業者と比較する(例えば、大手企業が市場を占有している場合は、独自のサービスや割引を付加価値として提供するのも有効
  3.  料金の見直しを定期的に実施する
    →市場の変化やコストの増減に応じて、料金体系を柔軟に調整する
  4.  顧客満足度を重視する
    →価格競争だけでなく、サービスの品質や柔軟性も重視する(リピーター増加につながる)

黒ナンバー取得に必要なその他の書類

黒ナンバー取得には、運賃料金表以外にもいくつかの重要書類が必要です。以下に代表的な書類を一覧で紹介します。

<必要書類一覧>

  1. 貨物軽自動車運送事業経営届出書(2部)
    運輸局に提出するための主要な書類です。前述した手順で作成してください。
  2. 運賃料金表(2部)
    顧客に提示する料金体系を記載した書類です。距離制運賃や時間制運賃、割増料金の詳細を明記します。
  3. 運賃料金設定届出書(2部)
    運賃料金表を基に、運輸局に届け出るための概要を記載します。
  4. 事業用自動車等連絡書(2部)
    車両の種別や車体番号、年式、乗車定員などの内容を記載します。
  5. 車検証
  6. ナンバープレート(2枚)

書類の提出は、まず運輸支局で手続きを行い、その後軽自動車検査協会で黒ナンバーの交付を受ける流れとなります。

まとめ|黒ナンバー運賃料金表を正しく作成して事業を始めよう

軽貨物運送事業を始めるにあたって、運賃料金表は事業の根幹となる重要な書類です。この記事では、運賃料金表の基礎知識から具体的な作成方法、申請手続きまで詳しく解説しましたので、ぜひ運賃料金表の作成にお役立てください。

また、作成中に不明な点が出てきた場合は、各地域の運輸局が提供している記入例やテンプレートを活用しながら進めてくださいね。それでも分からなければ、直接運輸局に電話をして確認するとよいでしょう。

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田川 英紀
19歳から自動車販売店にて勤務を経て26歳で現在の(株)カーチョイスを設立。現在45歳。2児の父。26年間自動車販売を経験してきたプロの目から見た自動車業界の記事を情熱を持って書きます。中古車販売業者は競合が何万店もあり、どれだけ頑張っても売上が伸びないため、「このままでは倒産してしまうかもしれない」という思いに暮れることもありました。そして、大きく方向転換しなくてはという思いと、人に喜んでもらえる仕事がしたいという思いから、「業務レンタカー」という仕事が誕生しました。

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