黒ナンバーの車検費用は、一般車両と比べてどの程度違うのか気になる方も多いでしょう。特に、事業用として使用するためコストを最小限に抑えたい方にとって、費用の詳細は重要なポイントです。
黒ナンバー車は、軽貨物自動車に分類されるため、車検費用の内訳や頻度、税金などが一般の白ナンバー車両とは異なります。本記事では、黒ナンバーの車検にかかる費用や一般車両との違いについて詳しく解説していきます。
黒ナンバー車の車検費用はいくら?一般車両との違い
黒ナンバー車の車検費用は、一般車両と比べていくつかの点で異なります。費用面や基本的な仕組みにどのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
黒ナンバーと白ナンバーの違い
黒ナンバーと白ナンバーの主な違いは、使用目的と税制にあります。黒ナンバーは事業用軽貨物車両に割り当てられ、白ナンバーは自家用車両に使用されます。具体的には下表をご覧ください。
黒ナンバーの特徴 | 白ナンバーの特徴 | |
用途 | 事業用(運送業・配送業など) | 自家用車として使用 |
車検のタイミング | 新車登録から2年、以降も2年ごと | 新車登録から3年、以降は2年ごと |
重量税 | 一般車両と比べてやや安い | 事業用車両と比べてやや高い |
任意保険 | 一般車両と比べて高い | 事業用車両と比べて安い |
黒ナンバーは、事業用として使用するため特定の税制優遇を受けられますが、一方で維持費や保険料が高くなる点も考慮する必要があります。
黒ナンバー車検の基本費用(法定費用・代行費用)
黒ナンバー車の車検費用は、大きく法定費用と代行費用に分けられます。
・自賠責保険(24ヶ月):17,540円
・重量税:5,200円(白ナンバーより1,400円安い)
・検査手数料:約1,800円
・ディーラー車検:約60,000円~100,000円
(※車検専門店の相場は約30,000円~50,000円、ユーザー車検の相場は約10,000円~20,000円です)
法定費用はどこで車検を受けても同じですが、代行費用は選択する業者によって大きく異なります。ディーラー車検は安心感がありますが高額になりやすく、コストを抑えたい場合は車検専門店やユーザー車検を選ぶとよいでしょう。
また、事業用車両は走行距離が長くなりやすく、消耗品の交換にかかる費用もかさみがちです。そのため、日頃のメンテナンスも重要となるでしょう。
一般車両と比べたコストの違い(重量税・自賠責保険)
黒ナンバーの車検費用(法定費用)は、一般の黄色ナンバー車両と比べてどのくらい差があるのでしょうか。実際に比較してみましょう。
黒ナンバー 車両と白ナンバー車両のコスト比較
項目 | 黒ナンバー(軽貨物) | 黄色ナンバー(軽自動車) |
車検期間 | 2年ごと | 新車3年、以降2年ごと |
重量税 | 5,200円 | 6,600円 |
自賠責保険(24ヶ月) | 26,240円 | 17,540円 |
任意保険料 | 高め(業務用途のため) | 安め(個人用途) |
総合的に見ると、法定費用だけでは黒ナンバー車の方が若干高くなる傾向がありますが、個々の車両の状態や使用状況によって実際の費用は変わってきます。また、点検整備費用は一般車両より高くなることが多いため、トータルでの車検費用は黒ナンバー車の方が高くなるケースが多いでしょう。
黒ナンバー車の車検は、一般のディーラーや車検場でも受けられますが、事業用車両特有の点検項目があるため、専門の整備工場を利用するのも一つの選択肢です。とはいえ、費用面だけでなく、車両の安全性や信頼性を考慮して、適切な車検場所を選ぶことも大切です。
黒ナンバー車検の基本的な仕組みと期間
黒ナンバー車両の車検は、一般の白ナンバー車両とは異なるルールが適用されます。新車登録時の車検期間やその後の更新頻度も異なるため、黒ナンバーを取得した際の対応を把握しておく必要があります。そこでここからは、黒ナンバーの車検の仕組みと流れについて詳しく解説します。
車検の有効期間と頻度
黒ナンバー車両の車検期間は、一般的な白ナンバーの車と異なり、新車登録後は2年間、その後も2年ごとに更新が必要です。これは、軽貨物自動車としての分類により、事業用車両に適用される基準が異なるためです。
黒ナンバー車両は事業用のため、長距離走行や過酷な使用が想定されることから、一般車両よりも厳しい検査基準が適用されることが多いです。定期的なメンテナンスを怠ると、車検の際に不合格となるリスクが高まるため、日頃からの整備が重要です。
黒ナンバーの車検期間の特徴
- 新車登録時:2年間有効
- 2回目以降:2年ごとに車検を受ける必要がある
- 一般車両(白ナンバー)との違い
- 白ナンバーは新車登録後3年間有効、その後は2年ごとの車検が必要
必要書類と準備物
黒ナンバー車の車検を受ける際には、いくつかの書類を事前に準備しておく必要があります。これらの書類が不足していると、車検をスムーズに通すことができないため、事前に確認しておきましょう。
黒ナンバー車検に必要な書類
- 車検証(自動車検査証)
- 自賠責保険証明書
- 軽自動車税納税証明書
- 自動車重量税納付書
- 自動車損害賠償責任保険証明書または自動車損害賠償責任共済証明書
- 点検整備記録簿
- 保安基準適合証
- 軽自動車検査票
- 使用者の本人確認書類(運転免許証など)
- 印鑑(認印でOK)
上記はあくまで一般的に必要となる書類です。車検を受ける場所によっては、必要書類が変わる場合がありますので、車検を受ける際は必ずご利用の店舗に確認を行ってください。
車検の流れ
黒ナンバー車両の車検は、大きく分けて3つのステップで進められます。どこで車検を受けるかによって若干の違いはありますが、基本的な流れは共通しています。
黒ナンバー車検の基本的な流れ
①車検の予約
- ディーラーや整備工場での予約
- ユーザー車検(自分で検査場に持ち込む場合)なら運輸支局のウェブ予約
- 繁忙期(3月・9月)は予約が取りづらいので、早めに行うのがベスト
- 必要書類を準備する
②車検当日
- 必要書類を持参し、受付を行う
- 法定点検を実施し、必要な整備が行われる
- 排気ガスやブレーキの検査、ヘッドライトの光軸チェックなどを実施
- 検査に合格すると、車検証が発行される
③車検後の手続き
- 車検証と新しい自賠責保険証を受け取る
- ナンバープレートの封印を確認
- 車両整備が必要な場合は、後日修理して再検査を受ける
黒ナンバーの車検はどこで受ける?
黒ナンバー車両の車検は、どこで受けるかによって費用や手続きの手間が異なります。ディーラー、車検専門店、カー用品店やガソリンスタンドなど、さまざまな選択肢がある中で、それぞれのメリット・デメリットを比較して自分に合った方法を選びましょう。
ディーラーで受けるメリット・デメリット
・信頼性の高さ
メーカー純正の部品を使用できる
専門知識を持った整備士が対応してくれる
最新の設備でしっかり点検してもらえる
・手続きが簡単
予約から車検完了までサポートしてもらえる
必要な書類の準備をサポートしてもらえる
代車を用意してくれる場合もある
・長期的なメンテナンスが可能
過去の点検データをもとに適切な整備が受けられる
トラブルの早期発見が期待できる
・費用が高い
一般的な整備工場やカー用品店に比べて高額
純正部品使用のため、交換費用がかさむ
・予約が取りづらい
特に繁忙期(3月、9月)は混雑しやすい
早めの予約が必須
・融通が利きにくい
必要のない整備まで提案されることがある
カスタマイズ車両の対応が難しいこともある
ディーラー車検は、費用が高めですが安心感があります。しっかり点検してもらいたい人や、メーカー保証を重視する人に向いています。
車検専門店や整備工場で受けるメリット・デメリット
・コストパフォーマンスが良い
ディーラーより安価に車検を受けられる
必要最低限の整備でコストを抑えられる
・短時間で車検が完了する
1時間程度で終わる「スピード車検」もある
事前予約なしでも対応してくれる場合がある
・整備内容の自由度が高い
必要な整備だけを選んで実施可能
社外部品の使用ができる場合もある
・技術力に差がある
店舗によって整備士の技術にバラつきがある
雑に整備されるリスクもゼロではない
・車両の履歴が管理されにくい
長期的なメンテナンスの履歴が残りにくい
定期点検の管理は自分で行う必要がある
・店舗によっては対応が雑な場合がある
過剰な整備を勧められることもある
繁忙期には対応が遅れることもある
車検専門店や整備工場は、コストを抑えつつ迅速に車検を済ませたい人におすすめです。ただし、信頼できる店舗を選ぶことが重要です。
カー用品店やガソリンスタンドで受けるメリット・デメリット
・全国展開している店舗が多い
近くの店舗で手軽に車検を受けられる
移動距離を気にせず利用可能
・安価な料金で車検が可能
基本的な車検は低コストで受けられる
割引キャンペーンを活用すればさらにお得
・他のサービスと同時に利用できる
オイル交換やタイヤ交換も一緒にできる
・技術力に不安がある
整備士の資格を持たないスタッフが対応する可能性がある
本格的な修理や整備には対応できない場合が多い
・細かい調整ができない
簡易的な点検や車検に特化している
重大なトラブルには対応できない
・予約が取りづらい場合がある
混雑していると希望日に車検を受けられない
事前予約をしないと時間がかかることもある
カー用品店やガソリンスタンドの車検は、簡単な点検だけで済ませたい人や、費用を抑えたい人に向いています。ただし、大きな整備が必要な場合には向かないため、事前にどこまで対応できるのか確認しておくとよいでしょう。
黒ナンバー取得時の車検はどうなる?手続きの注意点
黒ナンバーに変更する際、車検の取り扱いや手続きがどうなるのか疑問に思う方も多いでしょう。結論から言えば、多くの場合、車検の取り直しは必要ありません。ただし、いくつか注意点があります。
黒ナンバー変更時の車検に関する注意点
- 使用目的の変更に伴う構造等変更検査が必要な場合がある
- 車検証の記載事項変更が必要
例えば、軽自動車を黒ナンバーに変更する場合、荷台の改造などを行わない限り、通常は構造等変更検査は不要です。しかし、普通車を黒ナンバーに変更する際に大幅な改造を行う場合は、構造等変更検査が必要となる可能性があります。
黒ナンバー車検を安く済ませるには?コスト削減のコツ
事業用車両として使用する黒ナンバー車は、一般車両と比べて車検費用が高くなる傾向にあります。しかし、適切な方法を知っていれば、車検費用を抑えることは可能です。そこでここでは、黒ナンバー車の車検費用を削減するためのコツをご紹介します。
ユーザー車検活用のポイント
ユーザー車検とは、自分で運輸支局や軽自動車検査協会に車を持ち込み、車検を受ける方法です。通常のディーラー車検や整備工場を利用する場合と比較して、大幅にコストを削減できるため、黒ナンバー車両の維持費を抑えたい方におすすめです。
ユーザー車検のメリット
- 車検費用を抑えられる
- 業者に支払う整備費用や代行手数料が不要
- 法定費用のみで済むため、総額を安く抑えられる
- 自分の都合で車検を受けられる
- 事前予約をすれば、好きな日時に検査を受けられる
- 予約の混雑状況を確認しながらスケジュール調整が可能
ユーザー車検の注意点
- 整備は自己責任
- 事前に点検整備をしないと、検査に通らない可能性がある
- ブレーキや排ガス、灯火類の状態を確認しておくことが重要
- 手続きに慣れが必要
- 初めてのユーザー車検では、書類の準備や検査の流れがわかりにくい
ユーザー車検を利用すれば、代行手数料が不要となり、黒ナンバー車検のコストを半額程度に抑えることも可能です。費用を抑えたい方は、一度検討してみる価値があります。
整備施設の選び方
前述したように、車検費用を抑えるためには「どこで車検を受けるか」も重要なポイントです。黒ナンバーの車検に対応している施設はいくつかの種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあるため、整備内容と費用を比較し、自分に合った施設を選ぶことが大切です。
とはいえ、最も安く済ませたい場合は、やはり車検専門店を利用するのがおすすめです。下記「整備施設選びのポイント」も踏まえて検討してみるとよいでしょう。
・複数の施設で見積もりを取る
・黒ナンバー車の取り扱い実績を確認する
・整備内容の詳細を確認し、必要最小限の整備にとどめる
例えば、ディーラーは安心感がある反面、費用が高くなる傾向があります。一方、車検専門店や整備工場では、必要最小限の整備で費用を抑えやすい傾向にあります。自身の状況に合わせて、適切な整備施設を選びましょう。
補助金・助成金の活用方法
黒ナンバーの車検費用をさらに抑えるためには、補助金や助成金の活用も有効です。特に、環境対策や安全対策に関連する制度を活用すると、車検費用の一部を補助してもらえる可能性があります。
・IT導入補助金
・小規模事業者持続化補助金
・先進安全自動車(ASV)導入補助金
補助金を利用することで、車検費用の負担を軽減できるため、黒ナンバー車両の所有者は積極的に活用するとよいでしょう。
まとめ
今回は、黒ナンバー車の車検について重要なポイントを整理しました。
黒ナンバー車の車検は、一般車両と比べて費用面でのデメリットがある一方で、重量税の優遇など、メリットもあります。事業用車両として安全性を確保しつつ、コスト面でも効率的な運用を心がけることが大切です。
本記事では、黒ナンバー車の車検費用の基礎から安く抑えるコツまで詳しく解説しましたので、ぜひこれからの事業運営にお役立てください。
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