日本は今、深刻な人材不足に陥っています。飲食、流通、教育……どの業界も人材の採用と定着に課題を抱えています。弊社もまた、人材の採用、定着、そして育成については、試行錯誤の繰り返しです。私は業務レンタカーだけでなく、弊社が属するやまとグループの人材採用にも携わっています。その中で感じた「人材不足への立ち向かい方」を今回は書かせていただこうと思います。

出典:日産自動車ニュースルーム
「正社員」「終身雇用」の魅力は失われてきている
私たちの年代の方にとって、自身で開業、起業する以外の働き方はほぼ「就職」一択であったはずです。採用する側になった現在も、「できれば正社員になりたいだろう」という考えで採用する方が大半だと思います。
しかし、仕事を探している20代〜30代の若い方にとって「正社員」や「終身雇用」の魅力はどんどん失われてきているように感じます。もちろん、安定志向がある方はいまだ一定数いらっしゃるので一概には言えませんし、大手企業や役所であれば別なのでしょうが、コロナ禍以降はとくにこの傾向が強まっているようです。
たとえば、正社員の時給換算が1500円だとしても、1350円でアルバイトを募集したほうが人が集まりやすく、集まる方も総じて優秀です。正社員として雇用した場合の他のリスクも一定あると考えると、アルバイトで雇ったほうが我々にとってもメリットが大きいといえます。
なぜアルバイトのほうが人材が集まるのか
出典:ランサーズ
時給換算したときの高さに加え、雇用の安定、各種保険、福利厚生などを考えれば、正社員のほうが絶対良い。これがこれまでの常識でしたが、どうやら今の若い方は終身雇用自体にリスクを感じているようです。暮らし方、働き方が大きく変わって自由になった今、1つの企業に定着することは必ずしもメリットとはいえません。
フリーランス人口もどんどん増えていますが、総務省統計局によれば、本業がフリーランスの方が現職の就業形態に就いている理由の中で「正規の職員・従業員の仕事がないから」との回答はごく少数。大半の人は「自分の都合のよい時間に働きたいから」「専門的な技能等を生かせるから」といった理由を挙げています。
弊社や弊社グループも、アルバイトに加え業務委託という形でさまざまな専門家と一緒に仕事をしていますが、スポット的に専門家の力を借りるには業務委託がベストだと感じています。デザイナーやライター、エンジニアという専門家に加え、これまで正社員として雇うのが主流だった営業担当者も、弊社は業務委託という形で雇わせていただいています。業務レンタカーの知名度向上、そして店舗数の増加は、彼らの力なしには到底なし得ませんでした。
共働きが大半になってきていることもあって、働いてくれる彼らにとっても「得意を活かせる」「自由に働ける」という点は大きなメリットなのでしょう。弊社という限られた環境でなく、さまざまな課題や意向をもつ複数の会社で自分の専門性を生かした働き方をすることで、彼らのスキルも上がり、それを使わせていただく私たちも助かる。そして、「育てる」手間も時間も必要ない。双方にとってWinーWinの働き方が、アルバイトや業務委託という形なのだと思います。
出典:総務省統計局
これからの時代の人材の雇い方
私は「時間を使っていただく労働」はアルバイトやパート、「スキルを使っていただく業務」は業務委託、「自社特有のシステムを使っていただく恒常的なポジション」は正社員と、雇用の形態を使い分けています。具体的にいえば、車の洗車などの単純作業の求人は、ガソリンスタンド経営者さんの多くが使ったことがあるであろう「タイミー」などを使っています。一方、貸し出し業務については、常に必要な人材で、覚えていただくことも一定あるため、スポット的な求人は適しません。デザインやマーケティングなど専門的なスキルが必要な業務の求人については、「ランサーズ」などのクラウドソーシングが便利です。
タイミーのような媒体で仕事を探す方は、「空いた時間を活用したい」「てっとり早くお金が欲しい」と考えています。一方で、クラウドソーシングに登録している方は、「自分のスキルを売りたい」と考えているので、採用する私たちもこうした求人媒体の特性や違いを理解したうえで利用することが、適材適所の人材を雇用するコツになってくるのではないでしょうか。
また、「正社員だけを大事にする」というのも時代錯誤だと思います。どのような雇用形態であっても一緒に働く人の意見や背景を尊重し、報酬や待遇面も配慮することで、同じ目的を共有する「仲間」となることができるはずです。
全車ETC付き。1週間・1ヶ月単位なら中長期レンタルがお得。1日あたり800円から!Webで実際のレンタカーの写真や走行距離を確認でき、待ち時間ゼロで24時間いつでも予約可能です。もちろん1日単位のレンタルも大歓迎!大阪・東京・兵庫に店舗を構える「業務レンタカー」の魅力は、圧倒的な安さにあります。ぜひ大手レンタカー店と比較してください。
「気軽に、レンタカーを利用してほしい」「レンタカーでより便利に、豊かに暮らしてほしい」との思いでこの業界に携わって、早20年。これからも多くの方に、“快適”と“感動”を与えるサービスを提供いたします。
\☎050-5434-5050/

田川 英紀

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