インバウンド需要の高まりとリスク【月刊ガソリンスタンド連載第31回】

車のミライ

 日本政府観光局によると、7月の訪日外客数は過去最高を更新しました。観光地には外国人が溢れ、地価や物価の上昇の一因となっています。一方で、公共交通機関の混雑や治安の悪化などの弊害も一部で見られています。

 インバウンド需要の高まりに伴い、レンタカーの利用者数も右肩上がりに増えています。しかし、外国人利用数が増えていることでレンタカーによる事故が増加していることは、決して無視できません。

出典:日本政府観光局「訪日外客数(2025年7月推計値)

国際免許証・外国委免許証取得者による事故が増加

出典:内閣府「交通安全対策の歩み〜交通事故のない社会を目指して〜

 内閣府によれば、外国籍運転者による事故件数はここ数年大きく増減していません。しかし、国際免許または外国免許取得者による事故件数は増加傾向にあります。レンタカーを利用した訪日外国人は2018年時点で5年前と比べて約8倍に増加しており、現在はさらに増えているものと考えられます。

 日本の多くのレンタカー会社は、国際運転免許証や外国運転免許証および日本語の翻訳文の提示があればレンタカーを貸し出しています。ここで注意すべきは、日本の免許証と国際免許証の違いです。日本の免許証は、国内での運転教育・試験を経て取得され、更新時にも講習で交通ルールや安全意識が徹底されています。つまり「日本の交通環境に適応できる知識と技能」を担保しているわけです。

 一方、国際免許証はあくまで各国の免許を国際条約に基づいて翻訳・様式化したものにすぎず、運転者が実際に日本の道路環境や交通ルールを理解しているかどうかまでは保証していません。そのため、たとえば「一時停止」や「歩行者優先」といった日本特有の交通ルールが伝わらず事故につながるケースや、事故発生後に保険の適用や損害賠償でトラブルが起こる可能性が高まります。

目先の利益ではなく長期的な利益を優先させることも大切

 訪日外国人の増加は、レンタカー事業にとって確かに追い風です。現に、弊社ホームページは外国からのアクセスも増えていますが、業務レンタカーでは日本の免許証をお持ちの方にのみ車両を貸し出しています。もちろん日本の免許証をお持ちであれば外国籍の方でも問題ありませんが、国際免許証、外国運転免許証の提示のみでは貸し出し不可です。

 日本の運転免許証所持者のみに限定している理由は次のとおりです。

1・国際免許証には多数の種類があり、種類によっては保険が適用されないケースがあるため運用上のリスクが高い

2・日本国内で頻発する「一時停止無視」は、外国人ドライバーにとって標識の意味が直感的に理解しづらく、ルールの違いから違反や事故につながる可能性が高い

3・事故率の上昇により、保険料が増額する懸念がある

4・事故が発生し修理代を請求する際、言語や制度の違いからトラブルに発展する可能性が高い

 とくに「保険料の安さ」は、弊事業の『肝』であると考えています。業務レンタカーでは、利用者年齢も18歳以上ではなく、20歳以上とさせていただいています。さらに、事故率を抑えた車両設計や最適な保険条件の構築によって著しく低い保険料を実現しています。

 国際免許証保持者にも貸し出せば、短期的には売上を押し上げることができるでしょう。しかし、「目先の利益」ではなく「長期的な利益」を優先させることが大切であると考え、インバウンド需要が加速する現在も、貸し出し条件の緩和は考えていません。

インバウンド需要の拡大がもたらす課題

 訪日外国人が増加することは、観光業や地域経済にとって追い風となる一方で、弊害も少なくありません。宿泊施設の不足や料金の高騰、公共交通機関の混雑、観光地でのマナー問題、治安不安の声など、地域社会が抱える負担は年々大きくなっています。レンタカー事業においても同様で、外国人利用者が急増することで事故やトラブルのリスクが高まり、事業だけでなく、地域全体の安全や安心にも影響を及ぼしかねません。

 こうした状況を踏まえると、事業者は単に「需要があるから提供する」という発想ではなく、社会全体の受け皿としての責任を意識する必要があります。短期的な利益を優先して貸し出し条件を緩和すれば、確かに売上は伸びるかもしれません。しかし、その弊害として、事業者自身だけでなく、地域の観光イメージやインフラへの信頼を損なうおそれがあります。

 私自身レンタカー事業を営む立場からは、安全面や保険制度の観点での課題を強く意識していますが、これは業界固有の問題にとどまるものではありません。インバウンドをどう取り込み、同時にリスクや社会的負担をどう軽減していくかは、日本全体に共通するテーマであるはずです。短期的な利益を追うだけではなく、地域住民の生活や社会の持続可能性を守る視点は今後ますます重要になっていくでしょう。

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田川 英紀
19歳から自動車販売店にて勤務を経て26歳で現在の(株)カーチョイスを設立。現在45歳。2児の父。26年間自動車販売を経験してきたプロの目から見た自動車業界の記事を情熱を持って書きます。中古車販売業者は競合が何万店もあり、どれだけ頑張っても売上が伸びないため、「このままでは倒産してしまうかもしれない」という思いに暮れることもありました。そして、大きく方向転換しなくてはという思いと、人に喜んでもらえる仕事がしたいという思いから、「業務レンタカー」という仕事が誕生しました。
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