カーリースはやめておけ?おすすめしない理由……失敗事例4選

カーリースとレンタカーの違い

車が長期的に必要だが、購入するほどの余裕はない。
こんなときに思い浮かぶのが、カーリースという選択肢かと思います。

しかし実際のところ、

「カーリースって実際どうなんだろう?」

「リスクが高いって聞くけど、どういう危険があるんだろう?」

と、カーリースのリスクを具体的にイメージするのは難しいと思います。
そこで今回は、リアルな失敗事例をもとに、カーリースの注意点について解説していきます。ぜひ参考にしてください。

 

カーリースの仕組み

ミニバン どんな車があるの?

カーリースは、利用者に代わってカーリース会社が購入した車を、月々一定の費用を支払って利用するサービスです。車の所有者はカーリース会社で、使用者はカーリース会社との契約のもと利用します。

料金の考え方では、「契約期間中にどれだけ車両の価値が下がったか」が重要になります。
例えば「契約開始時の車両価値が300万円」「契約満了時の車両価値が200万円」とすると、差額の100万円が契約期間中の車両分料金に。
さらにその100万円を契約月数で割った額が、月々の料金となります。
(実際にはこの車両価格に加えて、保険料や税などの維持費も含まれます。)
具体的な計算方法は下記をご覧ください。

<カーリースの月額料金>
「車両本体の総額+(契約中にかかる)維持費用」-「(契約満了時の)残価」÷契約月数
※残価とは:将来の車の査定価格

なおカーリースとレンタカー、カーシェアとの違いはこちらの記事をご覧ください。

【失敗事例から考える】カーリースをおすすめしない理由

さて、ここからはカーリースにまつわる失敗事例をもとに、

「カーリースのリアルな部分が知りたい」

「カーリースのリスクって実際どうなの?」

といった疑問を解決していきます。

 

失敗事例1.状態の悪い車を貸し出されて後悔した

「カーリース契約したけど、毎回ボロボロな車しかよこさない。Dレンジは点滅するしスマートキーは感知しない、ルームライトはつかない。極めつけにガソリン表示も壊れてるみたい。相談しても『問題ありません』と言われて最悪。」


これはカーリースを契約したものの、状態の悪い車を貸し出されたパターン。
通常の新車カーリースではなかなか起こらない現象ではありますが、中古車を扱う「短期カーリース」で起こりうる失敗です。
中古車は車両によって状態が大きく異なることから、事前に車両の状態を確認しておくことが必要でしょう。
とくに車の扱いに慣れていない方は、知識のある方に代理で車の状態確認を行ってもらってください。

契約後の途中解約は高額な違約金が必要になります。慎重な契約を心がけましょう。
なお短期カーリースについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

失敗事例2.車に傷をつけてしまうのが怖い

「カーリース契約したけど、免許取りたてで新車、ましてやカーリースにしたことを後悔……。駐車とかできるかなぁ……。」


運転に慣れていない時期にカーリース契約をし、後悔したパターン。
この方の後悔ポイントとしては、「カーリースには傷をつけられない」というプレッシャーからくるものでしょう。
カーリースの場合、修理費用が自己負担になるだけでなく、追加支払いが発生するリスクがあるからです。

上記でも解説しましたが、カーリースの料金は「車両の価値」をもとに算出されています。
傷を修理した経緯によって車両価値が下がってしまった場合、契約満了時に予定外の支払いが必要になることがあるのです。
運転に自信のない方や初心者ドライバーにとって、カーリースはハイリスクであることを覚えておいてください。

失敗事例3.中途解約をしたら高額な違約金が発生した

「カーリースを途中で解約したら、高額な違約金を一括請求されました。」

「カーリース契約期間中に人身事故を起こした知人が、免許を取り上げられたにも関わらず毎月のリース料を支払い続けています。」

これは、中途解約のリスクをモロに受けてしまったパターンです。
カーリースは、基本的に中途解約がNG。
そのため、どんな理由があろうと中途解約となれば高額な違約金が発生してしまうのです。
違約金とはいえ、残りのリース料のほとんどを一括で支払うことになりますので、結果として大きく損をすることになります。

これをもとに考えると、事例で紹介した「人身事故で免許を無くした方」については、高額な違約金を支払うよりもリース継続を選択したとも考えられますね。
カーリースを契約する際は、中途解約に関する大きなリスクが伴うことを忘れないでください

失敗事例4.解約時に(残価精算による)高額な請求をされた

「カーリース解約時、コロナの影響で車の市場価格が下がったといわれ、追加料金を請求された。」


契約終了時の残価精算による失敗例です。
カーリースは、(契約内容によりますが)解約時に残価精算による支払いが発生する可能性があります。
これは契約満了時点で車の査定価格が予想より低くなってしまった場合に、追加で支払いが必要になるというものです。

今回のケースではコロナウイルスによる事情とのことですが、このほかにも「事故を起こして修理した場合」などでも車両価格が下がりますのでご注意ください。

また、一部のカーリース広告では「月々料金のみ」をうたっているにも関わらず、実際には契約満了時に残価精算による支払いが必要だった、というケースも見受けられます。
キャッチ―な広告を鵜呑みにし誤った認識で契約してしまうことがないよう、契約内容を念入りに確認してください。

なお、カーリースのメリットおよびデメリットについて、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

カーリースに迷うなら「まずは長期レンタカー」が正解

カーリースのリアルな失敗事例をみて、

「カーリースはやっぱり私には向いてなさそう……」

「カーリース以外に、安く車を借りれる方法は何がある?」

と悩む方もいることでしょう。

 

そんな方におすすめしたいのが「長期レンタカー」という選択肢です。
レンタカーと聞くと、1日単位で借りるものという印象が強いかと思いますが、長期レンタカーなら週単位(ウィークリーレンタカー)や月単位(マンスリーレンタカー)で利用できます。
格安レンタカーであれば値段もカーリースとほぼ変わりません。
カーリースでは大きなリスクが心配ですが、レンタカーであればリスクも最小限で済みますので大変おすすめです。

カーリースと購入なら、どちらがお得?

「カーリースがだめなら、購入する選択肢もありかな?」

という方のために、カーリースと購入の違いについても簡単に紹介しておきます。

 

まず費用としては、中古車を購入するのが基本的には安く済むでしょう。
とはいえ、「まとまった購入資金がない」などの事情でカーリースを検討している方も少なくないはず。
そこで簡単に、「カーリースが向いている方と購入が向いている方」をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

<購入よりもカーリースが向いている人>
・長期間(1~3年以上)、車を利用することが確実な方
・近場利用がほとんどで、遠出をあまりしない方
・購入意欲はないが、自分の所有物のような感覚で車を扱いたい方
<カーリースよりも購入が向いている人>
・車の長期利用の見通しがたっている人
・高額な初期費用を支払える人
・自由に車を利用したい人

なおこちらの記事では、カーリースと購入、レンタカー、カーシェアの違いについて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

▶︎【徹底比較】車は購入・レンタカー・カーリースのどれがお得?

まとめ:自分にあった選択肢を見極めよう

今回はリアルな失敗事例をもとに、カーリースの注意点について解説しました。
カーリースの注意点をまとめると、次のようになります。

・契約前に車の状態を確認しておこう
・車の運転に自信のない人は、カーリースを避けよう
・中途解約時は高額な違約金が発生することを覚えておこう
・契約終了時、残価精算があるかどうか確認をしておこう

カーリースは、一部の方にとっては便利なサービスですが、誤った認識・知識不足で契約するには大きなリスクを伴う契約です。
一部カーリース広告では誤認をまねく言い回しが使われている場合もあるため、十分に注意してください。

なお、カーリースに代わる選択肢としては「長期レンタカー」がおすすめです。
リスクを最小限に抑えた上で、カーリースとほとんど変わらない金額で利用できます。
気になった方はこちらの記事をぜひ一度ご覧になってください。

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田川 英紀
19歳から自動車販売店にて勤務を経て26歳で現在の(株)カーチョイスを設立。現在45歳。2児の父。26年間自動車販売を経験してきたプロの目から見た自動車業界の記事を情熱を持って書きます。中古車販売業者は競合が何万店もあり、どれだけ頑張っても売上が伸びないため、「このままでは倒産してしまうかもしれない」という思いに暮れることもありました。そして、大きく方向転換しなくてはという思いと、人に喜んでもらえる仕事がしたいという思いから、「業務レンタカー」という仕事が誕生しました。

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