【プロが教える】カーリース4つのメリットと5つのデメリット

カーリースとレンタカーの違い

「車が長期的に必要になった。でも車を買う余裕はない……。」

こんなときに思い浮かぶのが、カーリースという選択肢でしょう。
しかし実際のところ、カーリースには大きなリスクもあるため、利用するには長期的な見通しが欠かせません。
そこで今回は、カーリースの4つのメリットと6つのデメリットを解説した上で、新たに長期レンタカーといった選択肢をご紹介していきます。
ぜひサービス選びの参考にしてください。

 

カーリースとは基本的に数年単位の車のリース契約

カーリースとは、利用者に代わってカーリース会社が購入した車を、月々一定の費用を支払って利用するサービスです。

基本的には3年や5年など、ある程度、長期のリース契約になることが一般的ですが、近年では「短期リース」というサービスも出てきています。

▶︎【最短1ヶ月から!】「短期カーリース」ってなに?

 

車の所有者はカーリース会社で、使用者はカーリース会社との契約のもと利用できます。なおカーリースとレンタカー、カーシェアとの違いはこちらの記事で詳しく解説しています。

カーリースの料金の仕組みとは?

カーリース料金の考え方では、「契約期間中にどれだけ車両の価値が下がったか」が重要になります。
例えば、契約開始時の車両の価値が300万円、契約満了時の車両の価値が200万円とすると、差額の100万円が契約期間中の車両分料金に。さらにその100万円を契約月数で割った額が、月々の料金となります。

実際にはこの車両価格に加えて、保険料や税金などの維持費も含まれますのでご注意ください。
なお、具体的な計算方法は次のとおりです。

<カーリースの月額料金>

「車両本体の総額+(契約中にかかる)維持費用」-「(契約満了時の)残価」÷契約月数
※残価とは:将来の車の査定価格

カーリース4つのメリット

カーリースは長期的な契約になるからこそ、じっくり検討したいものです。
カーリースを利用する価値はどこにあるのか、まずは4つのメリットからみていきましょう。

メリット1.豊富な車種から選べる

カーリースは、基本的に新車が用意されています。車種も現行モデルが揃っており、多くの選択肢の中から好みの車種を選べます。
車種によって金額は大きく変化しますが、乗りたい車が決まっている人にとってはうれしいですね。

メリット2.定額で支払いができる

カーリースは基本的に月額支払い(定額)です。
定額だからこそ長期的な見通しが立てやすいメリットがあります。

なお月額料金は、車種や保険、メンテナンスなどのオプションによって大きく変わります。

メリット3.最終的に購入できる

カーリースは、プランによりますが契約満了後にそのまま車を購入することも可能です(できないこともあります)。
カーリースを契約した後に、「気に入って購入したくなった」「購入資金が溜まったので購入したくなった」なんてときにも嬉しい制度ですね。

なお、購入する場合は残価(査定価格)を支払う形になります。

メリット4.ナンバープレートの表記が自然

カーリースのナンバープレートは、一般的なナンバープレートと同様です。
一方レンタカーやカーシェアリングでは、ナンバープレートが「わナンバー」といって、プレートのひらがな表記が必ず「わ」と決められています。

「借りている車」だと分からない自然なナンバープレートはカーリースのメリットといえるでしょう。

カーリース6つのデメリット

レンタカー チェック

カーリースには一定のリスクがつきものです。
契約をする前に、しっかりと6つのデメリットを確認しておきましょう。

デメリット1.契約手続きが面倒

即日利用できるレンタカーと比べて、カーリースは契約手続きが複雑です。
相談から審査、契約書の記入、車庫証明の提出などの手順があり、実際に車が納車されるまでに約1~3ヶ月かかります。
そのためすぐに車を使いたい方はご注意ください。

またカーリースは、手続きに「車庫証明※」が必要になりますが、この車庫証明は警察署で申請を行う必要があります。
即日発行ができず、計2回警察署に出向くことになりますのでこちらもご注意ください。
※車庫証明とは:自動車の保管場所があることを証明する書類

デメリット2.審査によってリースできないことも

カーリースの場合、リース契約を結ぶために与信審査が必要となります。
個人と法人のどちらでも審査があり、当然ですが審査に落ちた場合はカーリースの利用ができません。

なお審査の内容は個人と法人とで異なり、個人の場合は年収や勤務先、法人の場合は会社の事業内容や規模、継続年数などが審査対象となります。

デメリット3.車検やメンテナンスにお金がかかる

カーリースはレンタカーと違い、車検やメンテナンスを自費で行う必要があります。
車両による違いが大きいものですが、車検費用は2年で約10万円、メンテナンス費用は約1万円と考えてください。

カーリースの費用にはこれらの費用が含まれていないことが多いため、注意が必要です。

デメリット4.走行距離制限がある

カーリースには走行距離制限があります。
距離制限の目安はひと月500〜2,000kmで、超過した場合は追加料金が発生します。

なお具体的なイメージとしてはこちらをご覧ください。

<車通勤をする場合>
・職場までの距離 30km(往復60km)
・通勤時間の目安 片道約1時間(往復約2時間)
・月20日出勤
60km×20日=1,200km/月

このように、片道約1時間の車通勤をする場合、カーリースの走行距離制限を超過する可能性が大きくなります。
走行距離が大きくなりそうな方は、レンタカーを選択するとよいでしょう。
(レンタカーは走行距離制限がない、または月間3,000kmと制限が緩いためおすすめです。)

デメリット5.中途解約のリスクが高い

カーリースの最も大きなデメリットが、この中途解約のリスクになります。
そもそもカーリースは長期契約を前提としているため、基本的に解約ができません。
ですので、利用途中に解約をする場合は「違約金」が発生します。

違約金とはいえ、残りのリース料のほとんどを一括で支払うことになりますので大きく損をしてしまうでしょう。
カーリースを契約する際は、中途解約のリスクがあることを忘れないでください。

デメリット6.予想外の追加料金が発生するリスクがある

カーリースを検討する際に十分に注意していただきたいのが、この追加料金のリスクです。
カーリース広告の一部では、「月々定額」をうたっているにも関わらず、実際はボーナス支払いが必須であったり、契約満了時に残価精算による支払いが必要になることがあります。

残価精算による支払いとは、契約満了時の車の査定価格が予想より低くなってしまった場合に、追加で支払いが必要になるというものです。
誤った認識で契約してしまうことがないよう、契約内容を念入りに確認するようにしてください。

カーリースはこんな人におすすめ!

これまでの情報をまとめると、カーリースのメリット・デメリットは次の通りです。

カーリース4つのメリット
メリット1.豊富な車種から選べる
メリット2.定額で支払いができる
メリット3.最終的に購入できる
メリット4.ナンバープレートの表記が自然
カーリース5つのデメリット
デメリット1.契約手続きが面倒
デメリット2.審査によってリースできないことも
デメリット3.車検やメンテナンスにお金がかかる
デメリット4.走行距離制限がある
デメリット5.中途解約のリスクが高い
デメリット6.予想外の追加料金が発生するリスクがある

以上のことから、カーリースに向いてる方は次のような方です。

・長期間(1~3年以上)、車を利用することが確実な方
・近場利用がほとんどで、遠出をあまりしない方
・車の購入意欲はないが、自分の所有物のような感覚で車を扱いたい方

カーリースは、利用目的が明確で長期利用の見通しができている方にはメリットのある車の持ち方といえます。
しかし一方で、よく分からないまま契約をしたり、長期利用の見通しもなく契約したりすれば、大きく損をしてしまいかねません。
契約前に、「カーリースが一番適した選択肢かどうか」を十分に考える必要があるでしょう。

カーリースは購入・レンタカー・カーシェアとどう違う?

レンタカー

車の持ち方には、カーリース以外にも購入やレンタカー・カーシェアリングなどがあります。
それぞれの違いについて簡単にまとめてみました。

 

購入 レンタカー カーリース カーシェア
契約期間
1日~

1年以上~

30分~数時間程度
費用(料金)
高額

格安レンタカー

高額になりがち

料金は割高
支払い体系
支出が不安定

月額で定額

月額で定額

月額で概ね定額
車庫証明
必要

不要

必要

不要
車種の選びやすさ
自由

空き次第

概ね自由

空き次第
燃料費(ガソリン代)
自己負担

自己負担

自己負担

カーシェア会社負担
ナンバープレート
通常ナンバー

「わ」ナンバー

通常ナンバー

「わ」ナンバー
契約時の手続き
手間がかかる

簡単

手間がかかる

簡単
初期費用
必要(高額)


必要

必要(少額)
途中解約のリスク
違約金あり(少額)

基本的に不可

使用分の支払い

なお、具体的な違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

カーリースのデメリットを解消するのは「長期レンタカー」

ミニバン どんな車があるの?

ここまでカーリースについて解説してきましたが、

「カーリースのリスクが怖いな……」

「やっぱり私、カーリースには向いてないかも……」

と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで提案したいのが、「長期レンタカー」の選択肢です。

 

レンタカーと聞くと、1日単位で借りるものという印象が強いかと思いますが、長期レンタカーは週単位(ウィークリーレンタカー)や月単位(マンスリーレンタカー)で利用できます。

リスクを最小限に車を持ちたい方におすすめ

カーリースの場合、途中解約のリスクがどうしても拭えません。
ところが長期レンタカーであれば、週単位・月単位で契約ができるため、仮に途中で車が不要になっても柔軟に解約が可能です。
「数年後のことなんて分からないよ……」という方にはとくにおすすめですよ。

長期レンタカーなら業務レンタカーが安い

レンタカーは料金が高いイメージがあるかと思いますが、実は格安レンタカーであればカーリースとほとんど変わらない金額で利用が可能なんです。

また、初期費用はもちろん、車検費用もメンテナンス費用も一切不要。
面倒な部分をすべてレンタカー会社におまかせできる上、カーリースと同様の金額で利用できたら最高ですよね?
なお格安レンタカーである「業務レンタカー」では、1ヶ月あたり最安「26,400円(税込)~」利用可能です。ぜひご検討ください。

▶︎【料金シミュレーション】カーリースとレンタカーの違いを徹底比較!

まとめ:カーリースのデメリットは多い!

カーリースは、利用目的が明確で長期利用の見通しができている方にはメリットのある車の持ち方でしょう。
しかし一方で、契約内容によっては損をするリスクがあること、途中解約には大きなリスクが伴うことを忘れてはいけません。

今回は、カーリースの4つのメリットと6つのデメリットを解説しました。
カーリースが「自分に合った選択肢かどうか」をしっかりと見極めながら検討してください。

カーリース4つのメリット
メリット1.豊富な車種から選べる
メリット2.定額で支払いができる
メリット3.最終的に購入できる
メリット4.ナンバープレートの表記が自然
カーリース5つのデメリット
デメリット1.契約手続きが面倒
デメリット2.審査によってリースできないことも
デメリット3.車検やメンテナンスにお金がかかる
デメリット4.走行距離制限がある
デメリット5.中途解約のリスクが高い
デメリット6.予想外の追加料金が発生するリスクがある

なお、カーリースのデメリットを補う選択肢として「長期レンタカー」があります
解約のリスクが限りなく低いのに、利用料金はカーリースと同等。
ぜひ業務レンタカーのホームページをご覧になってみてください。

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田川 英紀
19歳から自動車販売店にて勤務を経て26歳で現在の(株)カーチョイスを設立。現在45歳。2児の父。26年間自動車販売を経験してきたプロの目から見た自動車業界の記事を情熱を持って書きます。中古車販売業者は競合が何万店もあり、どれだけ頑張っても売上が伸びないため、「このままでは倒産してしまうかもしれない」という思いに暮れることもありました。そして、大きく方向転換しなくてはという思いと、人に喜んでもらえる仕事がしたいという思いから、「業務レンタカー」という仕事が誕生しました。

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