レンタカーの免責補償には入るべきか? 保険・免責・NOCの違いとは

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レンタカーを借りる際に「免責補償制度」の説明を聞いて、入るべきか入らなくてもよいか悩んだ方も多いのではないでしょうか。

レンタカーの料金には自動車保険が含まれているため、免責補償に加入しなくても保険は支払われます。ただし、免責補償に加入しておくことで、保険利用時の免責金額の自己負担が免除されるのです。

この記事では、レンタカーの保険の基本から、免責補償とNOCの違い、さらにプロ目線で免責補償に入るべきかどうかの理由を徹底解説します。

レンタカーの免責補償とは?

レンタカーの免責補償とは、レンタカーで事故を起こして自動車保険を利用する際の免責金額(自己負担)を補償する制度です。Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトにも免責補償に入るべきかどうかという質問は多く、多くの方が必要性に迷っていることがわかります。

ここでは、レンタカー料金に含まれる自動車保険の仕組みを整理して、免責補償やNOCとの違いを解説します。

レンタカー料金には「保険補償」が含まれている

レンタカーの利用料金には、自動車保険による補償が含まれていますので、利用者が別途スポットの自動車保険に加入する必要はありません。

ただし、保険を利用する際には免責金額(自己負担)の支払いが必要です。免責金額は、保険を使用する際に利用者が自己負担する金額となります。

業務レンタカーの自動車保険の補償内容は次のとおりです。

保険内容

補償内容

1事故免責・賠償額(お客様のご負担)

対人賠償保険

無制限

1事故につき:55,000円

対物賠償保険

無制限

人身傷害保険

同乗者お1人につき3,000万円

車両保険

未加入

自走して返却予定営業所に返却された場合:55,000円

2事故目以降の場合:修理代全額

上記以外の場合:110,000円

※すべて税込価格 ※2025年8月現在

このように、保険を利用する際には、対人・対物・車両に対する損害の支払いは補償されますが、55,000円〜110,000円の自己負担が発生する点に注意しておきましょう。

また、次のようなケースでは自動車保険の補償の対象外となります。

  • 任意保険の上限を超えた部分
  • 保険約款の免責事項に該当する事故
  • 貸渡約款に違反する事故
  • 警察の事故証明書が取得できない場合

▶レンタカーの自動車保険はどうする?種類・特約・補償内容をプロ目線で解説

「免責補償」と「保険補償」の違い

自動車保険の保険補償には免責金額が設定されており、自己負担額を免除するのが免責保証制度(CDW)です。

  • 保険補償:事故による損害を補償する。保険を利用する際に免責金額の自己負担が必要
  • 免責補償制度:免責金額の支払いを補償する制度

免責補償に加入していなくても保険補償は使えますが、免責金額を自己負担する必要があります。免責補償に入っていれば保険利用時の自己負担が免除されるので、より安心してレンタカーを利用することができます。

業務レンタカーの事故免責補償制度の加入料は次のとおりです。

1日

1,100円

1週間

3,300円

1ヶ月

6,600円

※すべて税込価格 ※2025年8月現在

複数人で運転する場合は事故免責補償制度の加入が必須です。また、運転者が4名を超える場合、4名ごとに事故免責補償制度の追加加入が必要となっています。

▶レンタカーの保険に入ってない?免責補償は?料金はいくら?

「免責補償」と「NOC(ノン・オペレーション・チャージ)」の違い

NOC(ノン・オペレーション・チャージ)とは、レンタカー会社に対して支払う営業補償のことを指します。

  • 保険補償:対物・対人・車両本体に対する補償
  • NOC:レンタカー会社に対する営業補償

事故によってレンタカーに修理が必要になると、修理が完了するまでその車両を利用できないため、レンタカー会社は間接的に損害を受けることになります。

保険補償は事故によって損害を受けた物や人、車両本体に対する補償ですので、間接的に損害を受けるレンタカー会社に対する補償は対象外です。

参考として、業務レンタカーのNOCの金額を紹介します。

自走して予定の営業所に返還された場合

33,000円

自走不可能な場合

55,000円

※すべて税込価格 ※2025年8月現在

業務レンタカーの場合、事故免責補償制度に加入している場合でもNOCは免除されませんので注意しておきましょう。

ただし、大手レンタカー会社では、事故免責補償制度の上位プランでNOCの支払いまでカバーされるケースもあります。

▶レンタカーの自損事故に保険は使える?保険の種類と補償範囲を徹底解説!

各レンタカー会社の免責補償制度の加入料金

保険補償の免責金額と免責補償制度の料金は、レンタカー会社によって若干の違いがあります。ここでは、各レンタカー会社の免責補償制度の加入料金を比較します。

 

免責額(自己負担額)

免責補償制度加入料

会社名

対人補償

対物補償

人身補償

車両補償

トヨタレンタカー

50,000円

50,000円~100,000円

1,100円~2,200円(24時間)

日産レンタカー

50,000円

50,000円~100,000円

1,650円~2,200円(24時間)

オリックスレンタカー

50,000円

50,000円~100,000円

1,100円~2,200円(24時間)

ニッポンレンタカー

50,000円

50,000円~100,000円

1,100円~2,200円(1日)

ニコニコレンタカー

50,000円

50,000円

1,100円~2,200円(24時間)

業務レンタカー

55,000円

55,000円

55,000円

55,000円~110,000円

1,100円(1日)

※すべて税込価格 ※2025年8月現在

大手レンタカー会社では、対人補償と人身補償には免責金額が設定されておらず、免責補償制度の料金は1日あたり1,100円〜2,200円です。一方、業務レンタカーでは、対人補償と人身補償にも免責金額が設定されているため、免責補償制度の必要性はより高くなっていると考えられます。

大手レンタカー会社では、免責補償とNOCの支払い免除がセットになった上位プランが設定されている場合もあります。

【プロの本音】レンタカーの免責補償には入るべき

ここまで読んでも「免責補償はいらない」と感じている方もいるかも知れませんが、プロの視点でみるとレンタカーを借りるなら免責補償には入るべきと考えます。

ここでは、その裏付けとなるデータから、理由を解説します。

レンタカーの事故は少なくない

運転に自信がある人ほど、自分は事故に遭わないから免責補償は必要ないと考えてしまうお気持ちは分かりますが、レンタカーの事故は決して少なくないという現実を知っておきましょう。

 

交通事故件数

レンタカーによる事故

レンタカーによる事故率

平成24年

665,157件

6,327件

9.5%

平成25年

629,033件

6,534件

10.3%

平成26年

573,842件

6,366件

11%

平成27年

536,899件

6,275件

11.6%

平成28年

499,201件

6,150件

12.3%

平成29年

472,165件

6,218件

13.1%

平成30年

430,601件

5,913件

13.7%

内閣府の公表する資料から筆者作成

交通事故全体の件数は減少傾向にあるものの、交通事故全体の件数に対するレンタカーの事故の割合は増加していることが分かります。

特に、近年では訪日外国人によるレンタカーでの事故が増加傾向であるとも言われています。自分が事故を起こさないのはもちろん、相手の不注意やもらい事故に巻き込まれる可能性もあるという点にも注意が必要です。

▶レンタカーで事故!責任は?また借りることはできる?

慣れない車・慣れない道も安心

レンタカーを使う際には、初めて乗る車種で操作に慣れていなかったり、旅行先や出張先など地理に不慣れな道路を走ったりと、不慣れな環境での運転になるケースが多いものです。慣れない車、慣れない道での運転では、普段よりも事故のリスクは高くなってしまいます。

特に、初心者やペーパードライバー、高齢者などの場合、免責補償に加入しておけば安心感に繋がり、心理的にも落ち着いて運転をすることができます。

グループ利用は必須

グループでレンタカーを使う場合、免責補償への加入は必須です。複数人で運転する場合、1人が運転するよりも事故をするリスクが高まるだけではなく、万が一事故が起こった場合に、誰が免責金額を支払うのかで揉めるケースは少なくありません。

実際に、友人同士のグループでレンタカーを利用して事故を起こし、誰が免責金額を支払うのかで揉めた結果、運転手が1人で全額を負担して友情にヒビが入ったという例を聞いたこともあります。

業務レンタカーでは、複数人で運転する場合は事故免責補償制度の加入が必須です。事故が起こってから、高額な免責金額を誰が払うかで揉めるより、少額の免責補償の料金を人数で割った方が負担も少ないですし、面倒もありませんね。

免責補償はレンタカーを安心して利用するためのおすすめオプション!

レンタカーの免責補償は、事故の際の自己負担をゼロに近づける、安心に備えるオプションです。特に、初心者やペーパードライバー、高齢者など、運転に自信が無い方は免責補償への加入が安心に繋がります。また、グループ利用の際には免責補償への加入は必須です。

ただし、免責補償にNOCは含まれない場合があります。免責補償に加入する際には、NOCが含まれるかどうかも確認しておきましょう。

「1日1,100円〜2,200円もするなら免責補償はいらない」と思ってしまう気持ちは分かりますが、安心してレンタカーを利用するためには決して高い出費ではないはずです。

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田川 英紀
19歳から自動車販売店にて勤務を経て26歳で現在の(株)カーチョイスを設立。現在45歳。2児の父。26年間自動車販売を経験してきたプロの目から見た自動車業界の記事を情熱を持って書きます。中古車販売業者は競合が何万店もあり、どれだけ頑張っても売上が伸びないため、「このままでは倒産してしまうかもしれない」という思いに暮れることもありました。そして、大きく方向転換しなくてはという思いと、人に喜んでもらえる仕事がしたいという思いから、「業務レンタカー」という仕事が誕生しました。
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