2025年12月に公表された税制改正大綱では、自動車業界に大きく影響する改正が盛り込まれました。加えて、電気自動車(EV)への増税やすでにスタートしたガソリン税の暫定税率の廃止などにより、自動車を「買う」「保有する」「使う」各段階の税負担が見直される局面に入っています。

出典:経済産業省「自動車関連税」
「買う」税金:環境性能割の廃止
当初「凍結」と見られていた自動車環境性能割は一転、2026年3月末での「廃止」に決着しました。環境性能割は「買う」ときの税金ですので、廃止に伴い一部の車両の需要増が見込まれるでしょう。もっとも、業務レンタカーで主に使用される低価格帯の中古車はもともと環境性能割の課税対象外であるケースが多く、今回の改正が弊事業に与える直接的な影響は限定的です。
一方で、SS経営者にとっては朗報となる側面もあります。一見すると直接的な関係は薄いように思えますが、新車購入時の税負担が軽減されれば、新車販売の活性化につながり、新車が売れれば必ず下取り車が市場に流れ込みます。ディーラーの下取り査定に満足できないユーザーが、より身近な相談先としてSSに査定を持ち込む機会が増えることも考えられ、結果として中古車流通や関連ビジネスの裾野が広がる可能性があります。
また、数年経てばその新車が中古車市場に流れ、価格が下がり、やがて我々のターゲット価格帯に落ちてきます。長期的に見れば「良質な中古車仕入れ」がしやすくなるため、いずれにせよ業界全体として歓迎すべきニュースといえるでしょう。
「保有する」税金:EV新税の導入
自動車を「保有する」際に納める重量税も変わる見通しです。政府・与党は2028年5月からの導入を目指し、EV新税を導入する方針を固めました。EV新税とは、重量のあるEVに対し、車検時に納める自動車重量税を上乗せする措置です。重量税は国税にあたりますが、地方税の種別割もEVの重量に応じて加算する仕組みが導入される予定です。
これはEVへの「増税」だと騒がれていますが、私は「是正(ルールの適正化)」であり、将来を見据えれば当然のことだと捉えています。世界的にEV化が進む中で、このまま「税金免除・優遇」を続ければどうなるでしょうか?ガソリン車が減っていけば当然、これまで道路整備を支えてきたガソリン税や排気量ベースの自動車税は激減します。その時、主役となるEVから税金を取れていなければ、日本の道路財源は完全に破綻してしまうでしょう。
つまり、EVへの課税を先送りにして放置することは、将来の税収の蛇口を自ら締めるようなものです。次世代の主役であるEVからも適正に負担をしてもらう仕組みを作っておかなければ、道路というインフラ自体が維持できなくなる。今回の議論は、こうした「国家の財政基盤」を守るための避けて通れないプロセスなのであり、今回の改正は英断だと評価します。持続可能な車社会の形成は、レンタカー業界、SS業界にとっても不可欠です。
「使う」税金:暫定税率の廃止
皆さんご存じのことと思いますので内容の解説は割愛しますが、1月1日よりガソリン税の暫定税率が廃止されました。SS業界にとって、在庫評価損などの事務リスクを伴う「諸刃の剣」になるという見方もありますが、私はこれもかなりの英断だと評価しています。
補助金等の影響でガソリン価格が1㍑あたり15円ほど下がった数ヶ月前、レンタカーのお客様の動きが明らかに変わりました。「ちょっと遠出しようかな」と、心理的ハードルが下がったのでしょう。25円以上下がれば、インパクトは劇的です。SSとしては単価ダウンによる売上減が怖いかもしれませんが、それ以上に給油量と稼働率は爆発的に伸びるはずです。「高すぎて走れない」状況を打破し、お客様に「車で走る喜び」を取り戻してもらうことこそが、我々自動車アフターマーケットの最大の特効薬です。

出典:政府広報オンライン
税制の改正は、我々レンタカー事業者やSS経営者にとって一見すると無関係に思えるかもしれません。しかし実際には、車の購入行動や利用頻度、移動に対する心理に間接的な影響を及ぼし、時間差で現場に波及してきます。
2026年は自動車業界にとって、国内外の環境が同時に大きく動く「激動の年」になることは間違いありません。大手自動車メーカーによる提携・再編の動きが続くなか、EVを巡る国際競争やエネルギー政策の不透明感、さらには米国におけるトランプ関税再燃のリスクなど、企業の経営判断や市場構造に影響を与える要素が重なっています。変化は必ずしも一気に現れるわけではありませんが、確実に市場やユーザーの行動を変えていきます。こうした動きを「遠い話」として捉えるのではなく、間接的に自社の事業環境に影響する前提として注視していく姿勢が、これから一層求められる年になるでしょう。

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田川 英紀
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