急きょクルマが必要になった時や、目的地までの公共交通アクセスが悪いとき便利なレンタカーですが、借受・返却のため営業所行き帰りする手段さえ、確保できないこともあります。
結論から言えば、営業所と駅・空港・ホテル間で借受人を送迎するサービスを準備しているレンタカー業者は多数存在しますが、
・送迎オプションと配車・乗り捨ては何が違うのか
・どの営業所でいつ利用できるのか
・料金はいくらぐらいなのか
など、いくつかの疑問を抱いているユーザーも多くおられるはず。
そこで今回は、レンタカーのオプションを考察する企画第一弾として、送迎サービスの利用方法や料金相場を紹介したのち、コスパ的に必要なのか否かについて検証してみたいと思います。
レンタカーの送迎・配車とは?乗り捨てとは違うの?
まず基本的なことを整理すれば、送迎・配車はいずれも借受人が滞在する宿泊施設や、最寄りの駅・空港などといった「営業所以外の場所」において、レンタカーを借受・返却可能なオプションです。
両者の違いは、送迎は借受人の移動をレンタカー業者が車両を出して行うのに対し、配車はレンタカーを指定場所まで届け返却時に引き取るサービスであり、前者を有償にした場合は「道路運送法違反」に該当する可能性があるため、無料であるケースがほとんどです。
一方、ワンウェイ・レンタカーとも呼ばれる乗り捨てオプションは、借受店舗以外でも返却できるオプションであり、配車を含め会社・店舗・利用範囲によって追加料金が発生します。
オプション |
概要 | 料金 |
送迎 | 定期バスや営業車で借受人を送迎
借受・返却手続きは営業所で実施 |
無料 空港連絡道路代など有料道路料金は借受人が負担 |
配車 | レンタカーを指定場所に届け借受手続き
返却時は指定場所から引取手続き |
有料 |
乗り捨て | 目的地直近の店舗で返却できるのがメリット
借受・返却共に営業所へ向かう必要アリ |
無料エリア外での返却時は手数料が発生 |
このうち、時間と手間それにスタッフが必要な配車サービスの料金設定が最も高めで、次いで無料エリア外での乗り捨て、送迎は基本無料で利用できますが中小のレンタカー業者の場合は人的・物的問題から、サービス提供していない事も多くなってきます。
大手レンタカーチェーンは基本的に送迎サービスを利用可能ですが…
全国規模で数多くの店舗を展開している、トヨタ・日産・ニッポンレンタカーなどといった最大手チェーンだけではなく、地元で支持を得ている中堅どころでも借受人の送迎オプションを準備しており、基本的には無料で利用できます。
ただし、いつでもどこにでも送り迎えしてくれるわけではなく、駅・空港と周辺の営業所を定刻運行する「送迎バス」を利用できるにすぎず、例えば
・Bホテルまでレンタカー返却後送って欲しい
などといった、細かい場所・時間指定には対応していないことがほとんどです。
時間や場所を細かく指定したい場合は「配車オプション」を選択する必要があり、会社によってまちまちですが、「ニコニコレンタカー」を例に挙げるなら、「往復2,618円(※)」でレンタカー宅配サービスを提供しており、これが業界全体の大まかな相場と言えます。
※利用条件・取り扱いの有無は、店舗によって異なるため要確認。
しかし、配車オプションは大手であっても営業時間内しか対応しておらず、GWや夏休みなど繁忙期には利用できないことも多いほか、サービス提供店舗や具体的な追加料金を、公式HPに明記している業者が極端に少ないのがネック。
実は、明記したくても「できない」のが本当のところ、なぜなら借受人ごと配車に要する時間も手間も異なるため、チャイルドシートやカーナビなど装備系オプションのように、定額表記することが難しいからです。
また、そもそもの話をすれば借受人が「短時間レンタカーを使いたい!」と考える
・ホテル・オフィス街
・観光地・レジャー施設
などの周辺には、大小含め数多くのレンタカー営業所が点在しています。
時間制レンタカーのメリットは、必要な時に必要な分だけクルマを利用できることに尽きますが、先ほど触れた配車オプションの料金相場は、2時間相当のレンタカー料金に匹敵する水準です。
正直、都市部なら徒歩圏内で行ける営業所が見つかるため、わざわざ時間調整して送迎サービスを利用するメリットはあまりないほか、郊外であっても相場的に高い配車オプションより、バスや電車などで移動したほうが良いと筆者は考えています。
長期レンタカーでは送迎サービスを利用不可!その理由とは
一方、マンスリー・ウィークリーレンタカーを取り扱っている業者は、借受人に直接来店いただき同一店舗で貸出・返却することが基本となっており、弊社も送迎・配車・乗り捨てオプションを準備しておりません。
なぜなら、前述したように送迎オプションは「無料」が前提のサービスであり、継続的に提供するためには
・メンテナンス・維持コスト
・ドライバーの人件費
・燃料代
などが発生し、その分どうしても基本料金を高くせざるを得ないからです。
また、マンスリー・ウィークリーレンタカーの場合は、利用時間が長く移動範囲も広いため、例えば「名古屋にいるから大阪店から配車して?」とか、「大阪店で借りたけど東京店に返却したい!」などいったご要望にはどうしてもお応えできません。
そんな無茶なことを言う借受人はいらっしゃらないと思いますが、全てのお客様に均一なサービス提供と、明瞭な料金提示をモットーとしている弊社では、安全かつ快適にクルマを利用いただけるよう、万全の点検・整備に限られたコストと人員を費やしております。
何より、1週間や1か月単位で自由にかつお得に、クルマを利用できるのが長期レンタカーのメリットですから、可能な限り経費を削減し手ごろな料金設定を実現することこそ、ユーザーニーズにマッチしていると弊社は考えています。
事実、半年・1年と継続利用されているお客様から、「何で送迎サービスがないの?」という不満の声を寄せられることもありませんし、24時間いつでも発着可能なシステムの導入以降は、「一層便利になった!」とお褒めの言葉をたくさん頂戴しています。
まとめ
公共交通機関が行き届いていることを考えると、レンタカー選びをする上で送迎オプションの有無は、それほど重要なポイントと言えませんし、コスパ重視なら配車・乗り捨てオプションを利用せず、自力で借受・返却したほうがお得です。
とはいえ、利用場所が無料送迎バスの運行エリア内だったり、緊急時や片道しかレンタカーが必要ない場合には便利なオプションであるため、利用条件や追加料金を事前確認し付属するかしないか、決めるようにしましょう。
田川 英紀
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