Chat GPTの考える車のミライ【月刊ガソリンスタンド連載第6回】

車のミライ

今、なにかと話題のChat GPT(チャットジーピーティー)。こちらからの質問に対し、AIが答えてくれるサービスです。正直なところ、つい最近まで「どうせ中身のない回答やろ」と思っていたのですが、いざ実際に利用してみると文章は正確で、言っていることも「なるほど」と関心するものばかりで大変驚きました。そこで今回の連載では、Chat GPTと私、田川の対談の模様をお伝えします。

 

AIの普及により無くなる・仕事が減るカービジネス

まず私がChat GPTに聞いたのは、「AIの普及により無くなる・仕事が減るカービジネスは?」といった問いです。彼(彼女)の回答は、「タクシードライバー」「トラックドライバー」「教習所の講師」「駐車場の係員」「自動車修理技術者」の5つ。1〜4については、「自動運転の実現」を理由に挙げています。この点については、私も同意見です。やはり、自動運転技術の普及により、ドライバー業はなくなっていく職業の1つとして挙げられるでしょう。個人的には、自動運転の車の普及とともに、既存の車を自動運転できるロボットの開発も進むのではないかと考えています。こうなれば、より早く自動運転の導入が進み、ますますドライバー職や教習所の講師の職は不要になっていくのではないでしょうか。自動運転の車の普及に先駆け、岡山市のとある自動車教習所ではすでにAIが生徒と同乗し、指導員の役割を担っているようです

ただ、私は「自動車修理技術者」に関しては、AIが普及したとしても無くなることはないと考えています。Chat GPTも、自動車修理技術者については「無くなる」とは答えておらず「一部の手動での修理や整備がAIに起き変わる」としています。もし「整備士はいなくなる」と彼が回答していたら、私は「精度が低い」と判断していたことでしょう。というのも、車は部品数が多く、外を走っていることから劣化も多い製品。もし、ロボットだけで整備をするとなれば、その仕組みの開発や工場の整備に莫大な時間とお金がかかるため、まだまだ現実的ではないと考えられるからです。

ガソリンスタンド経営の持続可能性は?

続いて私からChat GPTにした質問は、「ガソリンスタンド経営の持続可能性」です。その結果、ガソリンスタンド経営者にとっては耳が痛くなるような回答が返ってきました。まず、ガソリンスタンド経営の持続可能性は次の5つの点に影響を受けると彼は言います。

  • 電気自動車の普及
  • 再生可能エネルギーの普及
  • ガソリン価格の変動
  • 多機能化
  • インフラの変化

簡単にいえば、電気自動車や再生エネルギーの普及によりガソリン需要は減少すると。多機能化させ、インフラの変化に対応していくなど、ビジネスモデルの適応や変更を考慮することが必要だということです。これに関しては、私も彼の言うとおりだと思います。

実は私、短期間ですが、最近まで日産のリーフ(電気自動車)に乗っていたんです。マンション住まいのため自宅で充電ができなかったものですから、毎日のように充電のため日産に通っていました。この間、ガソリンスタンドの利用回数はゼロ。日産でタイヤの空気圧も見てもらえますし、コーティングしていれば洗車の頻度も高くありません。決して意識的にガソリンスタンドに行かないようにしていたわけではなく、結果的にそうなったということです。電気自動車の普及はやはり、ガソリンスタンド経営には向かい風だなと身を持って体感しました。

 

ガソリンスタンド経営の持続可能性を高めるための施策

最後に「ガソリンスタンド経営の持続可能性を高めるための施策は?」という点についても聞きました。やはり彼の回答は多機能化で電気自動車への対応ということでしたが、個人的に注目すべき回答は、「レンタカーサービスの導入」です。これはまさに、弊社の事業である業務レンタカーの仕組みの導入をガソリンスタンド経営者に大おすすめしている私からすれば「ようわかっとる」と関心する点でした。その理由もまた、私と一致しています。

彼の言い分は「新たな収入源を確保すべき」というものです。「この点について、もう少し深い見解を教えて」という私の問いに対して、彼はこう答えました。この点についても、私は完全に同意します。

「電気自動車の普及によるガソリン需要の減少を考慮すると、事業の分散化ができるレンタカー事業の導入は収益の多角化という点について理にかなった選択です。ガソリンスタンドの敷地や施設を利用してレンタカーの保管や業務ができ、多岐にわたるサービスの展開により、ブランド力の強化や競争力の向上が見込めます」

さまざま情報や知識を統合したうえで、完全なる客観的な意見を述べてくれるChat GPT。月々2,000円とお手頃価格で利用できますので、ぜひ皆さんも活用してみてはいかがでしょうか。新たな発見や切り口が得られるかもしれません。

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田川 英紀
19歳から自動車販売店にて勤務を経て26歳で現在の(株)カーチョイスを設立。現在45歳。2児の父。26年間自動車販売を経験してきたプロの目から見た自動車業界の記事を情熱を持って書きます。中古車販売業者は競合が何万店もあり、どれだけ頑張っても売上が伸びないため、「このままでは倒産してしまうかもしれない」という思いに暮れることもありました。そして、大きく方向転換しなくてはという思いと、人に喜んでもらえる仕事がしたいという思いから、「業務レンタカー」という仕事が誕生しました。

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