プロが選ぶ社用車・営業車のおすすめ車種7選!事故・使用・経費の疑問も解説

社用車

社用車(営業車)が必要になった際に、どのように選べば良いのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

そんな時には、まずは「どんな用途か」「求める条件は何か」という情報を整理しましょう。

用途・条件に沿った車種をピックアップした上で、コストをなるべく抑えた社用車選びを行うのがおすすめです。

今回は、プロ目線で、社用車の「目的」に応じたおすすめ車種をご紹介します。 

・社用車にかかる経費について(何にかかるか、コストダウンの方法等)
・社用車の私的利用について 

などもあわせて解説していきますので、新たな社用車を検討している方、私的利用について気になっている方はぜひ参考にしてください。

目的別!プロが選ぶ社用車(営業車)におすすめの車種7選

社用車選びの際は、冒頭でお伝えした通り社用車を持つ「目的」から車種を選ぶのがおすすめです。

もちろん、自分が好きな車を社用車にしてもOKですが、社用車としてよく利用されている「定番車」には、そうなるだけの理由がある、もしくは長年多くのユーザーに利用されていて信頼性がある、といった背景があります。

ここでは、目的ごとに「社用車におすすめの車種」をご紹介します。全部で7車種ありますので参考にしてください。

<目的別、社用車におすすめの車種>

1.荷物・人を多めに運ぶなら:トヨタ ハイエース
2.荷物・商品を運ぶ定番営業車:トヨタ プロボックス
3.軽い荷物を運ぶ営業車なら:ダイハツ ハイゼットカーゴ・スズキ エブリィ
4.移動用営業車(軽自動車)なら:ダイハツ ミライース
5.移動用営業車(普通車)なら:日産 ノート
6.社長・役員用社用車の定番:トヨタ クラウン

1.荷物・人を多めに運ぶなら:トヨタ ハイエース

・乗用車
・排気量:2693cc
・車両重量:1630~1890㎏
・燃費性能:9.0~10.0㎞/L
項目 金額 内訳 その他
ガソリン代 263,000円 20,000㎞走行したと仮定 平均燃費9.5㎞/Lで計算

レギュラー価格125円/L

保険料 200,000円 100,000円×2
自動車税 87,000円 43,500円×2 2.0ℓ~2.5ℓで計算
車検代 75,550円 ・自賠責保険:21,550円

・重量税:32,800円

・印紙代:1,200円

・代行手数料:10,000円

・完成検査料:10,000円

重量税は~2tで計算
点検費用 42,000円 ・12ヶ月点検:15,000円

・24ヶ月点検:27,000円

消耗品 45,000円 ・オイル:5,000円×4

・フィルター:5,000円×2

・ワイパーゴム:2,500円×2

・エアコンフィルター:5,000円×2

車の状態によっては増える可能性あり。
合計金額:712,550円

※保険料は人により価格差が大きいため、軽自動車は年間8万円、乗用車は年間10万円に統一。

荷物や人の移動が多い業務には、社用車の定番「トヨタ ハイエース」がおすすめです。

誰にとっても使いやすい広々とした荷室で、一度に多くの荷物を運べます。

最近では個人契約の運送業者なども活用しており、手軽に手に入る「運搬車」として人気を集めています。

 

また、グレードによっては最大「9人」まで乗れる、送迎車としても利用可能。ハイエースバン1台だけで、様々なニーズに応えられます。

ハイエースバンにはガソリン車とディーゼル車の2タイプがあり、街乗りメインなら「ガソリン車」、長距離移動が多く、燃費・パワー重視なら「ディーゼル車」が最適。

用途や目的に合わせて、グレードやオプションを選択すると良いでしょう。

ハイエースHPはこちら

2.荷物・商品を運ぶ定番営業車:トヨタ プロボックス

・乗用車
・排気量:1496cc
・車両重量:1090~1160㎏
・燃費性能:17.6~27.8㎞/L
項目 金額 内訳 その他
ガソリン代 113,000円 20,000㎞走行したと仮定 平均燃費22㎞/Lで計算

レギュラー価格125円/L

保険料 200,000円 100,000円×2
自動車税 61,000円 30,500円×2
車検代 67,350円 ・自賠責保険:21,550円

・重量税:24,600円

・印紙代:1,200円

・代行手数料:10,000円

・完成検査料:10,000円

点検費用 38,000円 ・12ヶ月点検:15,000円

・24ヶ月点検:23,000円

消耗品 45,000円 ・オイル:5,000円×4

・フィルター:5,000円×2

・ワイパーゴム:2,500円×2

・エアコンフィルター:5,000円×2

車の状態によっては増える可能性あり。
合計金額:524,350円

※保険料は人により価格差が大きいため、軽自動車は年間8万円、乗用車は年間10万円に統一。

定番営業車といえば、トヨタ プロボックス。

普段使いの車とさほど変わらない乗り心地に加え、コストパフォーマンス面も優秀。グレードによっては最低140万円を切る価格設定は他社にはまねできません。

ラゲッジスペースも荷室の入り口が「スクエア」状にデザインしており、スムーズな積み下ろしが可能。シートアレンジも簡単で、フラットな荷室を活用すれば、最大1,000Lを超える容量が確保されます。

中程度の荷物・商品の運搬を行う「営業車」に最適な車です。

プロボックスHPはこちら 

3.軽い荷物を運ぶ営業車なら:スズキ エブリィ・ダイハツ ハイゼットカーゴ

ちょっとした荷物を運ぶ程度の「営業車」として利用する社用車なら、下記2車種がおすすめです。

・ダイハツ ハイゼットカーゴ
・スズキ エブリィ
・軽自動車
・排気量:658cc
・車両重量:840~940㎏
・燃費性能:15.4~19.6㎞/L
項目 金額 内訳 その他
ガソリン代 147,000円 20,000㎞走行したと仮定 平均燃費17㎞/Lで計算

レギュラー価格125円/L

保険料 160,000円 80,000円×2
軽自動車税 21,600円 10,800円×2
車検代 48,840円 ・自賠責保険:21,140円

・重量税:6,600円

・印紙代:1,100円

・代行手数料:10,000円

・完成検査料:10,000円

点検費用 37,000円 ・12ヶ月点検:12,000円

・24ヶ月点検:25,000円

消耗品 45,000円 ・オイル:5,000円×4

・フィルター:5,000円×2

・ワイパーゴム:2,500円×2

・エアコンフィルター:5,000円×2

車の状態によっては増える可能性あり。
合計金額:459,440円

※保険料は人により価格差が大きいため、軽自動車は年間8万円、乗用車は年間10万円に統一。

ダイハツ ハイゼットカーゴ

ダイハツ ハイゼットカーゴは、コンパクトなボディながら大容量のラゲッジスペースが魅力の軽バンです。

低い床に積み下ろしがしやすい大開口で、軽とは思えない量の荷物を運搬可能。助手席を前倒しすれば、6畳相当のカーペットまで載せられるのは魅力です。

安心・安全の「スマートアシスト」搭載モデルも用意されており、街乗りでも安心。「スズキ エブリィ」と並ぶ、人気の社用車です。

ハイゼットカーゴのHPはこちら

スズキ エブリィ

スズキ エブリィは、スズキの軽バン。軽自動車ながら広々としたラゲッジスペースに荷室への積み下ろしのしやすさが人気です。

2021年4月時点での公式ウェブサイトには「軽キャブバンNo.1」の文言が表記されるほど、荷室の広さに力を入れています。もちろん、バック時のブレーキサポートや、消灯被害軽減ブレーキなどの「予防安全性能」も優秀。

 

燃費性能も2WD 5AGS車(JOIN、PA)条件で19.4(JC08モード)Km/Lとなっており、広さ・燃費・安全性ともに優れた車種と言えます。

エブリィHPはこちら

4.移動用営業車(軽自動車)なら:ダイハツ ミライース

ダイハツ ミライースは、ダイハツ発のコンパクトなエコカー。860,200円からの低価格(2021年4月現在)と、JC08モードで最高35.2km/Lの低燃費が魅力です。

スマートアシスト搭載のモデルも用意されており、安全・安心の定番車と言えます。

ハイブリットカーに匹敵するほどの低燃費、かつコストパフォーマンスの良さで、街乗りの移動用社用車にぴったりです。

 ミライースHPはこちら

5.移動用営業車(普通車)なら:日産 ノート

・コンパクトカー
・排気量:1198cc
・車両重量:1030~1310㎏
・燃費性能:23.4~37.2㎞/L
項目 金額 内訳 その他
ガソリン代 83,000円 20,000㎞走行したと仮定 平均燃費30㎞/Lで計算

レギュラー価格125円/L

保険料 200,000円 100,000円×2
自動車税 15,250円 7,625円×2 自動車税75%減税

(ノートe-POWER)

車検代 57,750円 ・自賠責保険:21,550円

・重量税:15,000円

・印紙代:1,200円

・代行手数料:10,000円

・完成検査料:10,000円

エコカーに該当
点検費用 38,000円 ・12ヶ月点検:15,000円

・24ヶ月点検:23,000円

消耗品 30,000円 ・オイル:5,000円×2

・フィルター:5,000円×1

・ワイパーゴム:2,500円×2

・エアコンフィルター:5,000円×2

車の状態によっては増える可能性あり。
合計金額:424,000円

※保険料は人により価格差が大きいため、軽自動車は年間8万円、乗用車は年間10万円に統一。

日産 ノートは、日産の先進技術が詰め込まれた電気自動車。ガソリンを燃料にエンジンが「発電機」の役割を担って発電。モーターで走ります。

電気自動車ならではの軽快な走り出しに、高い燃費性能が最大の魅力。もちろん、安全性能や運転支援など「快適・安全な移動」をサポートする機能にも妥協がありません。

車両価格は決して安くはありませんが、長期的に見て満足度が高く、長距離移動にも耐えられる性能を持つ優秀な車です。社用車として、パワフルに活用していきたい場合におすすめです。

 ノートHPはこちら

6.社長・役員用社用車の定番:トヨタ クラウン

 社長、役員用社用車の定番としておすすめの車種が「トヨタ クラウン」。現在ではレクサスが役員用社用車として人気が上がってきており、以前ほどの勢いはないものの、まだまだ「定番車」として人気。

むしろ、クラウンは以前の「最高級車種」のイメージよりも、高級感・環境性能、そしてコスト面のバランスの良い「嫌味のない高級ライン」へと進化を遂げています。高級感は出したいけれど、上品さも求める方にぴったりです。

日本の道路を快適に走る、という設計思想をもとに作られたクラウンは、走り性能はもちろん、乗り心地にも妥協がありません。

日本人のために設計された、純国産車。まさに「役員車」「社長車」にふさわしい車、と言えます。

 クラウンHPはこちら

社用車とは個人使用ではなく「法人」「個人事業主」が管理している車

社用車

社用車(営業車)は、個人の所有ではなく法人や個人事業主が管理する車のことです。車種などの規定はなく、車が「どこに所属しているか」によって、個人用、もしくは社用車に分けられます。

 

業務に使う車ということですので、車両の管理・使用については車両管理規定をしっかり定めなければなりません。民法には、以下のように規定されています。

 

民法715条

1.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2.使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

3.前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

 

つまり、従業員が使用する社用車は、使用した人に代わって事業を監督する者(会社)が損害賠償の責任を負うということ。

とくに、不特定多数の従業員が社用車を使う場合は、道路交通法をしっかり認識した上で車両管理規定を作成するべきでしょう。

 

社用車をぶつけた!事故の責任は運転手?会社?

レンタカー 救急車

社用車をぶつけた場合、事故の責任は運転手に発生することはもちろん、会社にも管理者としての責任があります。

 

業務時間内の事故であれば会社に責任が生じるのはもちろん、「業務時間外」に発生した事故に対しても、「運行供用者責任」が問われます。会社が車の「所有者」である以上は、この責任が発生するケースが多くあります。

 

よって、業務時間内・外限らず、社員が社用車を利用して事故を起こした場合、賠償責任の一部は会社が負うことになります。無断で使っていた場合も同様です。

▶︎社用車事故は誰に責任がある?賠償費用を賢く抑える方法を紹介!

 

社用車の私用利用はリスク大!信用にかかわることはやめよう

レンタカー

社用車の私的利用は「みんなやっているから」という理由でかんたんに考えている方が多いですが、実は非常にハイリスクです。

 

社用車を使っている以上は、たとえどんな理由であったとしても、トラブルの責任の一部は会社にも負担が発生する可能性があり、いざという時には職だけではなく、社会的な信用をも失う行為です。

 

社用車は「会社」の「業務」のための車

社用車は「会社」の「業務」のための車です。会社に所属している人が私的利用をしてよいものではありません。

「ばれなければ良い」ではなく、はじめから、誰かに見つかると困るようなことは絶対にやめましょう。

 

社用車・営業車にかかる維持費・経費について

レンタカー お金

社用車を維持するためのメンテナンス費用はたくさんあります。例えば、

 

・ガソリン代
・点検費用
・駐車場代
・消耗品交換代

 

など、車の維持には様々なコストがかかります。

▶︎【社用車のガソリン代を解説】勘定項目や精算方法、通勤で使った場合

 

 

メンテナンスコストの落とし穴「消耗品交換代」

車のメンテナンスにおいて最も頻度の高いエンジンオイルから、1年で交換をオススメするワイパーゴムやエアコンフィルターなどの消耗品代も、工賃を含めると意外と高額になるケースも。

 

また、走行距離が多くなればトランスミッションオイルや各ブーツ類、パンク修理剤なども使用期限があります。定期的に交換しなければ、いざという時に使用できなくなる可能性があり、点検・交換は欠かせません。社用車を選ぶ際は、消耗品の交換費用も念頭に置きましょう。

▶︎【社用車の経費】メンテナンス費や車両代の計上方法とは?中古車で節税効果もアップ!

 

税金や保険代も含め「車を持つコスト」として意識する

社用車のメンテナンス費用は、車本体を点検・維持する費用だけではありません。

 

毎年納めなければならない「自動車税」や「保険代」などもメンテナンス費用に組み込まれるのです。そういった出費も含め、トータルコストがどの程度かかるのかを知った上で車種を選ぶのがベストです。

▶︎社用車の保険料って高いの?割引率を考えるならフリート契約がオススメ!

 

メンテナンス費用は「車両費」に該当

会社にもよりますが、メンテナンス費用の勘定項目は多くの場合「車両費」に分類されます。

 

ガソリン代などすべてを車両費に組み込んでいる会社もあれば、ガソリン代だけ別の項目にしたり、保険、税金、その他の費用と項目別にきっちりと分けていたりする会社もあります。

 

勘定項目の細かな決まりはありません。顧問税理士などにも相談し、自社が管理しやすい方法を選びましょう。

 

社用車・営業車をスポット利用したいなら長期レンタカー・リースもおすすめ

レンタカー お金

社用車や営業車を保有したいと思っても、トータルコストがかかりすぎる場合には導入を迷ってしまいますよね。そんな会社におすすめなのが「長期レンタカー」や「カーリース」。

▶︎法人車向きなのはカーリース?レンタカー?メリットとデメリットを徹底比較

 

毎月決まった金額を支払うことで、長期レンタカーやカーリースでも「社用車」として車を使用できます。もちろん、レンタル・リース料金は「経費」に計上できます。

自分で購入した場合との違いは、所有者が「レンタカー会社」もしくは「リース会社」であるという点です。

 

車の「所有者」欄はレンタルまたはリース会社、「使用者」欄に自分の名前が記載されます。

 

初期費用・維持費を安く抑えたい場合にもぴったり

社用車を「長期レンタカー」で借りるメリットは、なんといっても初期費用がグッと抑えられることです。長期レンタカーではメンテナンス費用もレンタル料に含まれているため、定期点検や定期メンテナンスはレンタル会社にもっていくだけ。お金はかかりません。

 

一方「リース契約」の場合、リース会社により違いがあるものの、メンテナンス費用も含めた金額でリースできるプランもあります。

 

そういったプランを利用すれば、あらかじめリース金額に上乗せされているため、点検費用や消耗品の交換を行っても追加費用が発生しないという点は、大きなメリットだといえます。

 

まとめ

マンスリーレンタカー まとめ

社用車を選ぶ際は、まずは社用車を利用する「目的」をはっきりさせた上で、利用用途に沿った車種を選びましょう。

車種によっては初期費用が高くなったり、維持費がかさんだりすることもあり、社用車として「購入」するとなると、ハードルが上がります。

 

購入を悩む、導入費用を抑えたいといった場合には「長期レンタカー」もしくは「カーリース」もおすすめ。毎月定額を支払って、車を「社用車」としても借りられます。

特に、長期レンタカーの場合はメンテナンス費用も含まれた金額となっており、車の調子が悪くなっても「急な出費」がない点が魅力です。

 

「社用車」を持つ手段は、会社で購入する以外にもあります。ぜひ希望車種にかかるトータルコストを考えた上で、賢く、お得に車を活用していきましょう。

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田川 英紀
19歳から自動車販売店にて勤務を経て26歳で現在の(株)カーチョイスを設立。現在45歳。2児の父。26年間自動車販売を経験してきたプロの目から見た自動車業界の記事を情熱を持って書きます。中古車販売業者は競合が何万店もあり、どれだけ頑張っても売上が伸びないため、「このままでは倒産してしまうかもしれない」という思いに暮れることもありました。そして、大きく方向転換しなくてはという思いと、人に喜んでもらえる仕事がしたいという思いから、「業務レンタカー」という仕事が誕生しました。

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